『憧憬』は高石直幸(1947 - )の第1句集。
作者は「雲母」「白露」を経て「堊」代表、「今」創刊同人。
海にゐて悴める手を青くひらく
葉ざくらや町まで駆けてゆきしこと
涼しさや繃帯の子に新学期
麦秋や孤島のごとく人棲めり
渚まで出て夜あそびの生身魂
短日や自動ピアノのごとく弾く
姥百合や畷をとほる水着の子
磨かれし座敷牢より雲の峰
胸高き少女は魔女にクリスマス
口中に舌を収めて蛇眠る
あさがほの紺の遺伝子花いちもんめ
みづいろの朝顔が咲き生家なし
数学好きな少女に育ち卒業す
朗読会に猫かしこまるみどりの夜
粉雪や映画誰かと見にゆきたし
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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