『星狩』は清水伶(1948 - )の第2句集。序文:塩野谷仁。
作者は「朝」「海程」同人を経て「遊牧」同人。
父の日の大笑面に逢いにゆく
胎生の無数の濁り白もくれん
深層の水買いにゆく夕さくら
青梨を齧れば夜の水位かな
繃帯を巻く梟になりたくて
唇はしずかな廃墟冬の蜂
血縁は椿のように暮れている
鮎食べて唇(くち)はつめたき水辺かな
夕牡丹おとこも化粧するころか
亡父(ちち)と母交り合うとき螽斯(きりぎりす)
大いなる青蛾の匂い奥吉野
木の実降る頷かれいる寂しさに
烏瓜ひとつは仏ひとつは乱
眠れねば林檎芯から錆びてゆく
黒板の数式野うさぎのゆくえ
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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