『弾み玉』は松尾隆信(1946 - )の第8句集。
作者は「閃光」「七曜」「天狼」「氷海」を経て「畦」で上田五千石に師事後、「松の花」創刊主宰。
水仙の香のゆきわたる八畳間
プールの底のおのが影へと潜りゆく
チーズ市へ西瓜の前を通り抜け
台風の居座つてゐる迢空忌
目も口もきらりきらりと蛇の衣
金風の膝に乗り来る少女かな
薄氷をつつきて鯉の真白なる
睡蓮を背鰭の過ぎてゆきにけり
百円を入れて鐘撞く稲の花
さくらさくらさくらをスイッチバックかな
十月のひかりあまねし大砂丘
富士よりも大きな南瓜置かれけり
灯籠を流して水に触るる指
地図を展けばたちまちに葛嵐
針金の輪の錠外し霜畑
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