『ひとりのデュオ』は原満三寿(1940 - )の第3句集。2句ずつ1組の句集となっているため、今回に限り、15句ではなく7対14句ほど抄出する。
作者は俳人としては「海程」「炎帝」「ゴリラ」「DA句会」を経て無所属。
鳥顔で人かたりだす木の記憶
老いた木を蛇はなれゆく村ねむり
骨太の女形と入水 江戸の春
春の川 快楽(けらく)のひとつに土左衛門
鳥籠に鳥いなければよく啼きぬ
玉乗りの玉に影なし春はあやうい
雁わたる非常階段おれまがる
猿は揺すり我は舌だす山の宿
対岸の土手の長さに飽きる土手
春 alone チューバの青年土手に坐し
鯉のぼりシーツと微風をうばいあい
鯛焼はまず肛門から囓るべし
屋上がビル管理人の旬の孤島
管理人のデジャ・ビュの恋は波濤こえ
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