『へらへらと生まれ胃薬風邪薬』は瀬戸正洋(1954 - )の多分5冊目の句集。
著者情報の記載は無し。
どろどろの野菜ジュースのそぞろ寒
忘れ霜北半球を出たことなし
殴り合ひ取つ組み合ひの桜かな
永き日やドラッグストアーの束子
病室に陽だまりのある更衣
竹落葉腐つた牛肉と豚肉
サングラスも老眼鏡も同じ価格
積乱雲と三角定規はふたつかな
さんにんの社長の前の鮑かな
甘い麺麭甘くない麺麭秋の昼
秋の山こんなに早く終電車
玉子酒の玉子余計と思ひけり
蓬餅スーパーマーケットは壊れる
日本刀と拳銃桜餅は三つ
夏萩やひとの気配のする廃屋
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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