『五彩』は山﨑百花(1947 - )の第2句集(ただし第1句集『青い鳥』邑書林は未刊)。序文:松浦敬親。
作者は「麻」「里」同人。
風紋のごとくに刈られ処暑の芝
月はわが思ひの淵の光かな
菊膾うすむらさきの汁残る
馬術部の一頭にして肥ゆるかな
木枯や陸に大魚の鱗散る
鬼役へ津軽三味線ふぶきけり
ミトコンドリアにイブの血の濃さ寒卵
寒海苔の光の黒を折りにけり
食積のさいごの隅へ主婦の箸
春の海一滴づつのゆらぎかな
春愁や入りてもみよと鯉の口
皇帝の横顔沈む泉かな
帰りにと言はれて夜店かがやけり
歯を見せて馬が夏草むしる音
一灯へ集まる雪の五彩かな
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。