『櫻翳』は藺草慶子(1959 - )の第4句集。2002年から2015年夏までの239句を収録。
著者は山口青邨に師事。黒田杏子指導の木の椅子句会、古舘曹人指導のビギンザテンに学び、「屋根」「星の木」所属。
枯れすすむなり夢違(ゆめたがひ)観世音
十人の僧立ち上がる牡丹かな
鶏頭の離ればなれに倒れけり
わが身より狐火の立ちのぼるとは
揺れながら照りながら池凍りけり
土を出て茎なまなまと彼岸花
月光に蝕まれゆくごとく座す
一対のものみないとし冬籠
よろこびは晩年に来よ龍の玉
水底のすみずみに日や年詰まる
おほぞらはつかむものなし春疾風
花影のうへをはなびらさばしれる
白靴や奈落といふは風の音
自らの蘂に汚れて百合ひらく
屑金魚花の如くにあつまりぬ
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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BEETHOVEN Symphony No.7 in A,Op.92 OTTO KLEMPERER
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