『獏枕』は大山雅由(1947 - 2013)の第2句集で遺句集。
大山雅由は「河」を経て「隗」創刊。「清瀬市石田波郷没後40周年記念俳句大会(のち「清瀬市石田波郷俳句大会」と改称)」を発案・企画。
引き寄する眼鏡に春の塵仄と
透明な蝶が頭をゆく残暑かな
日の射して咳(しはぶき)ひとつ竹の中
寒柝や夢の汀を行き戻り
うつとりと雲を見つむる孕み鹿
魚は氷に上り未読の本の数
糸桜ふれたる母の玉子焼き
流星や傍らの妻見ぬといふ
秋の川蒼き岩には青き魚
銀漢や夢に子の名を叫(おら)びては
左義長や跳ねる狐も湖族にて
桜もみぢ挿む文庫も撰集抄
鶏鳴や一枝しづればみなしづる
子らはみな妻に似よかし樟若葉
朝顔や女は縁断ち易く
※本書はご遺族より寄贈を受けました。記して感謝します。
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