『浪華』は矢上新八(1944 - )の第2句集。大阪弁に特化した241句を収録。栞文:澤好摩。限定300部。
著者は「青玄」「草苑」を経て「円錐」創刊同人。
見てるまに蟻群がりて殺しけり
どんけつの神輿が叫(おら)ぶ大社
石の上の生餌がいのく晩夏かな
日のくれの峠を道が越えていく
老衰やゆうて友逝く十二月
吾もまたどこぞの土や花見酒
かめへんけど老猫眠る客布団
なに買(こ)おていこか母なく父もなく
暗いとこを覗いた姉と其れきりに
ついさっきこの水縁を秋の蝶
何とのぉ生れてきたか鹿煎餅
なんか食う猫の歯音や花曇り
ええとこ見に蝶舞上り舞落ちる
故郷はなんせ枯木の鳴るところ
たいがいは何ほどもない冬景色
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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Reich: Piano Phase
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