2015年
ふらんす堂
『時効』は飯田冬眞(1966 - )の第1句集。序文:鍵和田秞子。
著者は秋山駿、鍵和田秞子に師事。「豈」「未来図」同人。両親を引き取り、仕事をしつつ介護中。
さざなみのかけらとなりぬわかさぎは
涅槃の日ぐわれきは海へまかれたり
喉仏ならぶ会議を扇風機
官邸を包み込みたる蝉時雨
うしろから闇に抱かるる遠花火
朝顔や水やる母の背骨透く
娶るとは声増やすこと雪柳
祀るもの多き東京飯饐える
骨壺に喉仏てふ大暑かな
母の日の母と遺影を撮りに行く
裏表なきせんべいよ母の日よ
始まりも終はりも裸足失楽園
置き去りの父よ背高泡立草
時効なき父の昭和よ凍てし鶴
父といふ逃水にまた靴履かせ
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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