2015年
角川書店
『相聞』は岩岡中正(1940 - )の第3句集。2008年から2015年までの462句を収録。
著者は藤崎久を、稲畑汀子、深見けん二に師事。「阿蘇」主宰。
惜春の睫毛にふれてゆきし雨
三月三日 水俣川雛流し 四句から
わが流離ここにはじまる雛流し
夏川の一本を胸中に置く
五月八日 鹿児島市・磯庭園
万緑の山ふところのカノン砲
七月二十三日 西原村。白糸の滝 二句から
裸身ひるがへして滝の落ちにけり
あかときのいろはむらさきふきのたう
五月六日 山都町・五老ヶ滝 二句から
滝の上も人耕してをりにけり
二月十三日 熊本市・百梅園 三句から
梅林を行きて渚をゆくごとし
君よりも少し長生きして墓参
桜東風ことば放てば光りけり
妻は家(や)の宝池には春の鯉
もの焼いてゐるみちのくや神の留守
原色のステンドグラス冬あたたか
天守閣から来る年が見えますか
春寒の浜に遠流の思ひあり
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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Zelenka: Officium Defunctorum | Collegium 1704
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