2015年
文學の森
『ピカソの壺』は岡田史乃(1940 - )の第4句集。1998年から2015年までの311句を収録。
著者は「篠」主宰、「晨」同人。
父からのピカソの壺や夏立ちぬ (序句)
人形が海をみつめる雛祭
クリオネの赤い内臓春いよよ
心とは体の部位よ壺に蝌蚪
竹生島一歩へ春の雪ゆたか
うみうしやうみざうめんや春動く
陽を受けて水母に厚み生まれけり
滝へ滝割り込み地球動くかな
三伏や色の飛び出す中華街
水無月の海真つ平らとは言へぬ
四方から鹿の寄り来る山の冷え
木犀の一樹一仏一伽藍
石ひとつなげて秋川地動説
月光を両の手にのせ現れる
人間の子供のやうな芋の露
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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