2015年
角川書店
『森を離れて』は矢野玲奈(1975 - )の第1句集。序文:有馬朗人。
矢野玲奈は「天為」「玉藻」同人。『新撰21』参加者。
春の海渡るものみな映しをり
亀鳴くや雨美しき交差点
この恋は線香花火より永く
木の実降る大きな窓の美術館
花の雨ペルシア陶器銀化して
やはらかき水に戻りしソーダ水
春兆すガラスケースの葉巻にも
ガンダムの並ぶ夜業の机かな
初雪や釦をひとつづつ留めて
碁会所に少年多し鉄線花
これといふ宝石もなく香水を
それぞれに森を離れてきて聖樹
胎の子と白詰草の野に座る
花菜風日毎に変はる嬰の顔
新樹光ひそひそ話す少女らに
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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Alice Sara Ott plays Ravel's Piano Concerto in G major - Encore: "La Valse"
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