2015年
角川学芸出版
『存命』は伊丹三樹彦(1920 - )95歳での第26句集。
伊丹三樹彦は現在は「青群」顧問。
帰国の娘(こ)と対話 チャイだの カレーだの
そのままの素手素足老い 誕生日
暦繰り アルバムを繰り 予期せざりし齢
世界最短詩に打ち込む 回復期
眉村と就眠 パリの宿にはビデ(眉村 卓)
吸飲みの水を測って 予後十年(ととせ)
ひともとの桜巡るに 杖音立て
象とキリンと 左右に混み合う花の獸園(ズウー)
環濠と知らずや 杭へ糸とんぼ
マスクせしは みんな美女なの 木の芽風
隣家の灯いつしか消され 青葉木菟
汗饐えし一兵おのれ 草に仰臥(高槻工兵隊)
はからずも長寿 かぼちゃを飽かずして
夫妻の杖 只今有用 無用は死後
念々八月九日
原爆忌 平和希求は巨像の指呼
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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Strauss "Ein Heldenleben", op. 40 -- Mariss Jansons
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