詩誌「ガニメデ」vol.62(2014年12月)から。
この号、ブログに上げずにいるうちに4ヶ月経ってもう次の号が来てしまった。
俳句関係では作品のほか、武田肇「俳句発生学序説 O項記号論(一)緒言」、高岡修「〈俳句進化論講座〉詠下ろしⅤ句自註」第9回等を掲載。
俳人は私も含め、ほぼ皆50句掲載。
月明のわれは蛙に負ぶわれて 増田まさみ
炎昼の鉄と化したる観覧車 長嶺千晶
そののちの男をすべて空蝉と 青山茂根
江戸城に大火の歴史クローバー 福井隆子
北限の椿の白に盲ひたり 大木孝子
ガニメデに土地を求めし春の夢 大島雄作
野遊びの賽の河原に出てしまふ 加古宗也
死都またぎけり颱風を毟り喰ひ 竹岡一郎
怖きほど青蘆原の葉擦れかな 対中いずみ
クマノミの子が殖ゆ秋の水族館 辻美奈子
落鮎や川よりも雨なまぐさき 橋本榮治
終戦の日の絶海の信天翁(あはうどり) 広渡敬雄
満月や練り羊羹と噛ませ犬 渡辺誠一郎
行く秋の裸のマハの沈む絹 ふけとしこ
小さきは総身好透きぬ蟻の列 峯尾文世
竹伐つて母似の顔の黙しゐる 瀧澤和治
冬一個転がっている奥座敷 鳴戸奈菜
つゆけしやチェルノブイリの首飾り 花谷 清
銀杏散る巨艦のごときガラスビル 浅井民子
ラーメンのもやしが余る秋の暮 小野あらた
困りたる貌に狸の飼はれをり 柴田佐知子
眉剃って花野ツアーにまぎれこむ 渋川京子
月蝕や鉢の草草騒然と 西山 睦
ひとすぢの水の入りゆく蝉の穴 藤本美和子
川澄むは山々澄むにことならず 本井 英
山中に鉄塔ひかる春の山羊 井上康明
9・11口内炎を探る舌 箭内 忍(第7回小句集100句詠み下ろし)
*****************************************************
Ритъмът на Балканите -- един музикален етнобутик
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。