2015年
ふらんす堂
『花万朶』は鮫島茂利(1933 - )の第1句集。序文:武藤紀子。
鮫島茂利は「古志」「円座」同人。先に『阪神淡路大震災・わが心の記録』(152句収録)を出しているが、それ以外では初の句集。義兄が24歳で中国で戦死。
花吹雪すなはち山の歓喜かな
普通といふこの贅沢や終戦忌
英和辞書遺品となりし終戦忌
精霊舟雨の大河に遠ざかる
初神楽巫女の天冠煌めきて
鐘楼にのぼりて秋を惜しみけり
水明の球磨の山河に帰省せり
一滴の新茶に偲ぶ山河かな
大願は国の平和や初詣
清らかな創刊号や花のころ
永らへて今日の名月賜りぬ
手を挙げるだけの御慶や車椅子
くれなゐの仏間となりぬ雛祭
一滴の水貴しや原爆忌
被曝せる句友と語る原爆忌
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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【前面展望】 JR九州 肥薩線 八代→人吉 球磨川に沿って
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