2014年
ふらんす堂
高岡修(1948 - )『高岡修句集』は現代俳句文庫の1冊。
既刊句集6点からの抄録とそれ以後の作を収める。
高岡修は俳句誌「形象」で前原東作、前原誠、岩尾美義に師事。のち同誌の主幹に就任。詩誌「歴程」同人。
『高岡修全詩集 1969~2003』等の著作を持ち、土井晩翠賞、現代俳句評論賞等を受賞。
詩誌「ガニメデ」に俳論を連載中。
落ちてくる空を見てより山葡萄 以下『幻象学』から
いっぽんの鉛筆を濁流と思う
春雷の照らすひとつに水の肉
虚無の世に舌入れている縄の端 以下『蝶の髪』から
柩型に空切るあそび死児たちの
卵巣のシンメトリックの花疲れ
火口湖が飼う秋雲の溺死体 『透死図法』から
遠く来て我が来歴を問う菫 以下『蝸牛領』から
かたつむり地軸の影を見失なう
解剖台はじめに影が横たわる 以下『果てるまで』から
鳥雲に入り垂直を崖は倦み
絵皿買うアウシュヴィッツの霧に濡れ
鳥を食う鳥の裡なる空を食う
ふろしきに包むは虚無の一悲鳴
月光の立棺として摩天楼 『果てるまで』以後
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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