2015年
本阿弥書店
『海岳』は中村遥(1954 - )の第1句集。
「斧」同人。序文は吉本伊知朗。
2句組みで本文192ページ。
半農半漁の風土、舞台となっているのは主に作者の実家のある淡路島らしい。
墓石を切り出す山のさくらかな
時化明けの港に蜂の巣を焼けり
瓦窯潰えて桜鯛の海
秋の蜂踏みつぶしたる舟の上
縄文の鏃の並ぶ花の冷え
太刀魚を釣りあげし地に割れ鏡
豊満な案山子に見られ出漁す
そはそはと十一月の毒の鰭
探梅の途中大きな牛の貌
野遊びや卑弥呼のごとく白を着て
毒の虫八十八夜の箕の角に
干蛸を鋏にて切る野分晴
田遊びの人腥き真つ昼間
月待つや鯉の鱗を噛みながら
冬虫を罅にかくまふ太柱
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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Ron Carter Trio - Jazzwoche Burghausen 2006
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