「澤」(発行:小澤實、編集:望月とし江)2015年1月号から。
「対談 主宰に訊く」(小澤實・望月とし江)、会員各人が選ぶこの一年の「澤の十二句」を掲載。
潮澄んで鏡ヶ浦や手を漬くる 小澤 實
茨の実後醍醐の息ひびくなり
まつさらな初昔見る見る古ぶ 高橋睦郎(新竪題)
木の匂ひせる少年や神の留守 嶋田恵一
頭落さず裂きたる鰻焼きにけり 福原桂子
伊勢えびや軍艦島は眼前に 明石はま子
アメイジング・グレイス涼し尺八に 結城あき
(どういう結社にしたいか)
《小澤 さっぱりとした、清潔な結社と言えばいいでしょうか。いい意味で、俳句のみでしかぼくと会員がつながっていなくて、ぼく一代で終わるような。だから今もそうですが、事務所を持ったりはしないんです。》
(中沢新一との対談から)
《小澤 俳句の深層に動く運動感覚が海洋的だと中沢さんはとらえられます。(中略)「板子一枚下は地獄」という舟底からの自然や死からの音を聞き取ることが、根本的な俳句の構造であると。》(「対談 主宰に訊く」)
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「海の漁網」東京シネマ1967年製作
コメント
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