2014年
香天叢書
谷川すみれ(1947 - )は「花曜」で鈴木六林男に師事し、終刊後、「香天」の創刊同人。
この『草原の雲』が第1句集となる。序文:岡田耕治、帯文と12句選:久保純夫。
2009年に《ガソリンの臭いの中の立葵》1句で西東三鬼賞。
つきぬけて花火の中を花火かな
落蝉や生まれし穴を遠くにし
墓洗う誰の手もまだ触れさせず
突然に愛しくなりぬ汗の腕
とろろ汁カフカの火中を抜けられず
秋雨の奥に異常の育ちおり
絶命の時間をかけて冬薔薇
天上の匂いかすかに春の雪
戦争にチャンネルを変え半夏生
紫陽花の色を変えたる国家かな
揚花火母乳を浴びているような
白桃の一片を食べ妊りぬ
曼珠沙華一気に崩れゆきにけり
今生の色を拒みし氷柱かな
刻まれて葱の時間の立ちのぼる
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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Debussy - Pelleas et Melisande (Pierre Boulez)
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