2014年
風の花冠文庫
中島敏之(1952 - )の『俳句の20世紀を散歩する』は「鬣」の連載をまとめたもの。解説:林桂。
読書の対象として、具体的な古書の列挙の形で語られた俳句、それを年代順に並べ替えることで独自の俳句史に仕立てた本。
一部を抜粋する。
《かつて塚本邦雄が斎藤茂吉を写生から救ったように、早く高濱虚子を客観写生から救って、その本質を明らめ、奥深いくらい混沌に満ちた俳人と名指さねばならない。》(p.55)
《大正が蛇笏なら、昭和は耕衣、そんな気がしている。》(p.105)
《この本は俳句に関心ある「少年」にこそ読んでもらいたい。》(p.139) ※安井浩司『聲前一句』について
《俳句表現論の水準はこの本で戦後派の金子兜太から七十年代の坪内稔典に移行した。そういう意味では歴史的な書物である。》(p.159) ※坪内稔典『過渡の詩』について
《そして結論として頴原はこう述べた。
「所詮俳句は本来花鳥諷詠に封じこめられるべきものではないのである。」(「季の問題」)
「俳句はあらゆる点から考察して、「季」と結びつくべき必然性をもつものではない。」(「俳諧の『季』」)》 (p.167) ※『頴原退蔵著作集第十一巻』について
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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バリケードの中のジャズ 山下洋輔トリオ.flv
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