「里」(発行:島田牙城、編集:仲寒蝉)2014年10月号から。
アーモンドチョコレート踏む昼の霧 内堀美穂
指先に汗かいてゐる碁なりけり 堀下 翔
風に色なくて荷風の文庫本 媚庵
穭田をゆくしわしわのゴム風船 谷口智行
原人の石器の尖る秋の暮 六
サルビアの枯れてゐたりもする低さ 上田信治
島田牙城の「まへがき」で、自身の心身の失調の原因となった一言が「既に知られるとことなつてしまつたが」として、仲寒蝉によるものであったことが明かされ、入院二日目に面会に来た仲寒蝉との和解の模様が語られている。《……別れ際、寒蝉君が「一発毆るか」と言つた。僕は彼を強く抱きしめ、そして別れた。九十五パーセント彼を赦した瞬間だつた。/残つた五パーセントとは、十四日に彼ときちんと竝んで句會を作れるだろうかといふ不安であつた。しかし、その危惧も笑ひ話の如く吹き飛んだ。》
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Eurythmics This Is The House Live From Heaven 1983
コメント
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