詩誌「妃」(編集発行:田中庸介)第16号(2014年10月)から。
今号の参加者は長谷部裕嗣、田中庸介、仲田有里(歌人、詩人)、瓜生ゆき、大崎清夏、倉石信乃(詩人、写真評論)、山田航(歌人)、後藤理絵、宮田浩介、広田修、管啓次郎(詩人、比較文学)、鈴木ユリイカ。
A5判、124ページ。
以下、一部を抜粋。
《壊れたみたいに踊る少女を
双眼鏡で覗き続ける
僕はこの青い川を
憎んでなんかいなかった
憎んでなんかいなかった》 山田航「連詩 すすきの」
*
《異形の者
についてまだ私は書いていない
蜜のような快楽
についても私は書いてこなかった
天変地異
について私は書いていないし
塩漬けにされた鯖
について私はまだ何も書いていない》
《わたしは白いマスクをつけた箱入り娘だぜ
文句あるのか》
《焼いていない塩鯖のエキスが
間違えて
口に入ったのだ》 田中庸介「塩漬けにされた鯖と彼女」
*
《よく見るとそれは自転車ではまったくなくて何か
猿系の哺乳動物らしいのだが
役割としては乗り物であることに満足しているようなので
ぼくは何もいわない
それから少女と移住の話をした。》 管啓次郎「移住論」
*****************************************************
Bryan Ferry - Mamouna [Official]
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。