2014年
ふらんす堂
『蜜豆』は平岩和美(1947 - )の第2句集。栞、奥坂まや。
平岩和美は「幡」所属、辻田克己に師事。
計算の合はぬ夜寒の鼻撫づる
冬濤へガラス一枚野鳥園
朝涼の養老院を訪へり
蚜虫にもたかりゐる蚜虫
ががんぼが話をわかりにくくせり
子規庵のとりとめもなき茂りやよし
解体の家を離れず秋の蝶
恍惚と葉を吸ひをりて椿象は
風呂の灯の暗きがよけれ年の宿
初寝覚もとのひとりでありにけり
太陽の出て炎立つ野焼かな
饕餮文罍(たうてつもんらい)の緑青いなびかり
はればれと裸木に朝来たりけり
明易し覚めても一つこと思ふ
葛湯吹く口が鏡の中にもあり
※本書は版元より寄贈を受けました。記して感謝します。
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