2014年
本阿弥書店
中村慶岳(1955 - )は「狩」「ホトトギス」「杉」に入会後、4年前に俳誌「花安居」を創刊した臨済宗の僧侶。
中村文(ふみ 1975 - )はその妻。
夫婦での合同句集としては既に『雲自去来』『東山水上行』『花安居』の3冊があり、この『東福寺』が4冊目となる。慶岳の句181句、文の句70句を収録。
枡酒のやうに新茶を枡で飲み
朝食の席にゆつくり午睡せり
十二時を過ぎて大安京の月
橋上の左右明るく紅葉寺
山に百合岩魚動きて夜は更けぬ
凍えては煙草の数を重ねけり
時計は丸く柱は長く松は緑
蝉鳴く前に聞こえてゐた現在
何となく生き生きしたる夏の部屋
大ぶりの茄子の漬物ご飯炊く
百合の花見事な白の一つ開く
敷石に附いた杉苔手入れして
鳥鳴いてをり冬雲の輝く
*
夫が好き散歩が好きで初夏が好き (中村文)
秋晴れの日はコーヒーでも飲もうよ (中村文)
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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山粧う京の秋 〜 もみじの東福寺通天橋へ 〜
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