2004年
富士見書房
山﨑十生(1947 - )『花鳥諷詠入門』は10年ほど前に出た句集だが、先日、「彩の国ベガ俳句大会」の講演・選者を務めた折、主催者の山﨑さんから頂戴した。
この第4句集が、それまでの「山﨑十死生」を現在の「山﨑十生」に改めて最初の句集となる。
261句を収録。
十字架の影こそ菫なりしかな
星を磨くのは一本の葱である
白くなることが本望ではない 波
空蝉は月の光に充ちている
じっと波を見ていると羽の生えた記憶
白鳥の影ことごとく先師なり
大いなる殺風景や黒揚羽
月光の亀甲縛りなら愉し
白梅の影が重なり合っている
この世でもまた巡り合ふ著莪の花
百人は涼めるほどの銀杏かな
麦の秋どうしてボクは女なの
少しずつ月光が血になってゆく
鮭叩く棒に脂が染みている
全裸より恥ずかしいこと百千鳥
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Alban Berg - Violin ConcertoTo the Memory of an Angel - Frank-Peter Zimmerman, GMJO, Gatti
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