2014年
角川学芸出版
『正体』は葛西省子(1944 - )の第1句集。
作者は「澤」所属。序文、小澤實。
曇天の一点碧し花吹雪
翼凍てオーロラをいま航(ゆ)けるなり
わが正体獏にて候瓢の笛
麦の秋風にゴッホの狂気あり
山男とり付ける崖冷ゆるなり
眉描いて人間となる霞かな
刻まれて栄螺盛られぬ己が殻
散り敷きし花に杖つく老母かな
食べつくす老茸(ろうじ)岩茸網茸も
イギリス ストーンヘンジ
巨石のせ巨石立ちをる野分かな
大鷲の糞を噴射や尾羽上げ
病む姑(はは)を西瓜一片潤せり
石筍のマリアの形や滴れる
蜂の子の手足出たるを食うべよと
鹿肉の夕餉鹿栖む森の宿
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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