2014年
六花書林
宮崎斗士(1962 - )の8年半ぶりという第2句集。
帯=金子兜太。栞文=安西篤、塩野谷仁、柳生正名、小野裕三。
2句組みで、本文139ページ。
《つまり「二物衝撃」ならぬ「三物浮遊」。(中略)ところが、この浮遊する三物にむりに焦点を合わせようとせずにしばらく眺めていると、ふっとすべてが氷解したようにきわめてクリアな何かがそこから立ちあがる。像というのとも少し違う、なんだかよくわからない感覚の塊のようなもの。》(小野裕三栞文「ひとりっきりのポストモダン」)
東京暮らしはどこか棒読み蜆汁
天文学っておおむね静かふきのとう
少年ひとり夏蝶追うたびに回廊
バックミラーに向日葵今だったら言える
除夜の鐘家長おのおの体脂肪
消去法で僕消えました樹氷林
カンガルーと目が合う少女夏が来た
かまきりやこの村オムライスの明るさ
凍蝶そして遠くやわらかく相槌
方眼紙すっと白紙になり春だ
眠り際のいつもの気流花かたかご
帽子へこんでぽこんと直る母の秋
うさぎの耳みゆんと立って僕って干支
修司の忌歩きにくくて砂丘が好き
青き踏むふとおっぱいという語感
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
*****************************************************
Cocteau Twins Alice HD
コメントを投稿
コメントは記事の投稿者が承認してから表示されます。
アカウント情報
(名前は必須です。メールアドレスは公開されません。)
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。