「鷹」(発行:小川軽舟)2013年12月号から。
竹岡一郎の俳句時評は「攝津幸彦の韜晦(5)」でようやくこの項終了の模様。主に政治状況との関わりから攝津を読んだもの。
《深海につかる紐あり朝は革命 『鳥子』
紐の句といえば、
花衣脱ぐやまつはる紐いろいろ 杉田久女(※原文は「〱」)
紐つひにおのれに絡む月夜かな 河原枇杷男
が思い出される。久女の、世に生きる面倒さ。枇杷男の、自縄自縛の苦しさ。紐は業(ごう)を象徴するとも取れるが、攝津の紐は、韜晦の内に密やかに継続する意志の象徴か。革命は鳩の歩みでやってくる、とはニーチェの言葉であったか。真の革命とは恐らく、どんな共同体にも馴染まぬ、極めて個人的なものだろう。》(竹岡一郎「攝津幸彦の韜晦(5)」)
庖丁の柄(つか)ちかき刃に生姜剥く 小川軽舟
画面点し返信待てる夜寒かな
大雷雨麻耶六甲と駆けまはる 山本良明
厄日過ぐ納豆のいと昆布のいと 布施伊夜子
秋蝉の声くれなゐかむらさきか 永島靖子
サングラス外し九官鳥に応ふ 植竹京子
肉うすき我が肩に来て秋の蝶 髙柳克弘
後記によると小川軽舟が、ふらんす堂ホームページに来年一月一日から一年間、俳句日記を連載することになったとのこと。
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A Y.M.O. FILM PROPAGANDA '84 - Wild Ambitions
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