「俳壇抄」という電話帳のような全国俳誌ダイジェストを、三、四年前から筑紫磐井さんが送ってくれてきている。今回のは第41号(2013年11月)。
出しているのはマルホ株式会社なるところで、現代俳句協会・日本伝統俳句協会・俳人協会が後援している。
各結社・同人誌のこの一年の代表句と近況が一頁ずつ五十音順で載っているのだが、大結社で参加していないところも少なくない。
巻末に評論が二本。
今号は稲田眸子による「俳壇抄第40号を読む―俳壇抄直近三年間の変遷―」が、掲載結社数の増減をグラフを多用して示していて、「10万人当たりの俳誌数」が一番多いのが奈良県、東京都、神奈川県、逆に少ない方では鳥取県、佐賀県が「0」というのがわかったりする。
もう一本、五十嵐秀彦「俳壇抄第40号を読む―説明できない良さ―」は前号掲載句の鑑賞が中心。
資料としてはどう使えばいいのか今一つよくわからないまま頂いていたのだが、今号の見返しに次号(来年5月)で終刊との告知が突然載った。
小寺昌平の「編集後記」を見て成立の事情が初めてわかったが、インターネット普及までの間繋ぎのようなものとして振り返られていた。
「電話帳」の連想は外見だけではなかったことになる。
《発行人であった故高木青二郎(元『青門』主宰)が、「俳壇全体を見渡せるダイジェスト版的な定期刊行物」「各誌が自由に作品や俳論を発表できる場の提供」「お互いが俳壇全体に好影響を与え合えるような環境作り」を目的とした発行物として、『全国俳誌ダイジェスト―俳壇抄』を創刊したのが平成六年八月のことでした。
俳壇では無名に近い結社の突然の呼び掛けに、三六八誌からご賛同をいただいてのスタートでした。まだインターネット上でホームページを開設している俳誌が数誌しか無い頃のことです。
その後『俳壇抄』にご参加くださる俳誌は号を追うごとに増加し、平成十五年十一月発行の第十五号では五九四誌を数えるに至りました。その後も引き続き多数の俳誌のご参加をいただいておりましたが、ここ三~四年は減少の傾向に転じています。
平成二十三年十二月、高木青二郎の急逝後も、関係各位のご理解とご協力のもとで号数を重ねて参りましたが、いよいよ次号でその役割を終えることとなりました。》(小寺昌平「編集後記」)
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