「鷹」(発行:小川軽舟)2013年10月号から。
インタビュー「俳人を作ったもの」第5回は岸本尚毅が登場。「岸本尚毅氏に聞く/虚子のDNA/岸本尚毅自選50句」。
《小学校の時に興味を持ったのはプラモデルですね。ドイツ陸軍の戦車が好きでした。》
《有季定型は捨てたくないという拘りがあったけれど、伝統派は先がなさそうな感じがした。前衛派なんだけど有季定型に回帰している、ということで兜子に興味を持ったんです。》
《頭をからっぽにして、からっぽにしながらも、頭の中で言葉を走らせる、というか。後で知ったんですが、飯島晴子さんの「言葉の現われるとき」は、素晴らしい論ですね。そういう頭の動きを、あれだけ巧みに説明した論文はないですね。》
《……能勢朝次さんの「連句芸術論」にすごく興味深いことが書いてありました。能勢先生は、発句は内に籠もると言うのです。平句は非充足性があるから前後の句を呼び込む。(中略)だから、はっきりした言い方をする発句と、非充足性の平句とが、連句としてうまく並んでいると、窮屈を感じないわけです。(中略)それに対する一つのアンチテーゼが、虚子の『句日記』なんです。『句日記』の並べ方が連句的であるか否かというのは、重要な問題で、これから考えてみなくちゃいけない。》
《ちゃんと真面目に出汁をとるように季語を使わないといけないんですよね。どうしても季語ってね、味付けにいいわけですよ。ドレッシングみたいに使えてしまう。》
《その外延に重信や枇杷男や三橋敏雄があるのはわかっているんですが、土台として虚子選がないと、彼らも生きないんです。》
竹岡一郎の俳句時評は「攝津幸彦の韜晦(3)」。次回も続く模様。
まのあたり嶮しく高く天の川 小川軽舟
病人に昼寝の時間雲の峰 細谷ふみを
頭上に巨き振子あるごと暑を歩む 奥坂まや
初秋や海はすなほに船航かす 南十二国
消ゴムの新(さら)の白さも暑苦し 山地春眠子
空蝉にガイガーカウンター鳴けり 竹岡一郎
*****************************************************
Chucho Valdes & Archie Shepp Afro-cuban project - Jazz a Porquerolles Live (2011)
インタビュー「俳人を作ったもの」第5回は岸本尚毅が登場。「岸本尚毅氏に聞く/虚子のDNA/岸本尚毅自選50句」。
《小学校の時に興味を持ったのはプラモデルですね。ドイツ陸軍の戦車が好きでした。》
《有季定型は捨てたくないという拘りがあったけれど、伝統派は先がなさそうな感じがした。前衛派なんだけど有季定型に回帰している、ということで兜子に興味を持ったんです。》
《頭をからっぽにして、からっぽにしながらも、頭の中で言葉を走らせる、というか。後で知ったんですが、飯島晴子さんの「言葉の現われるとき」は、素晴らしい論ですね。そういう頭の動きを、あれだけ巧みに説明した論文はないですね。》
《……能勢朝次さんの「連句芸術論」にすごく興味深いことが書いてありました。能勢先生は、発句は内に籠もると言うのです。平句は非充足性があるから前後の句を呼び込む。(中略)だから、はっきりした言い方をする発句と、非充足性の平句とが、連句としてうまく並んでいると、窮屈を感じないわけです。(中略)それに対する一つのアンチテーゼが、虚子の『句日記』なんです。『句日記』の並べ方が連句的であるか否かというのは、重要な問題で、これから考えてみなくちゃいけない。》
《ちゃんと真面目に出汁をとるように季語を使わないといけないんですよね。どうしても季語ってね、味付けにいいわけですよ。ドレッシングみたいに使えてしまう。》
《その外延に重信や枇杷男や三橋敏雄があるのはわかっているんですが、土台として虚子選がないと、彼らも生きないんです。》
竹岡一郎の俳句時評は「攝津幸彦の韜晦(3)」。次回も続く模様。
まのあたり嶮しく高く天の川 小川軽舟
病人に昼寝の時間雲の峰 細谷ふみを
頭上に巨き振子あるごと暑を歩む 奥坂まや
初秋や海はすなほに船航かす 南十二国
消ゴムの新(さら)の白さも暑苦し 山地春眠子
空蝉にガイガーカウンター鳴けり 竹岡一郎
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Chucho Valdes & Archie Shepp Afro-cuban project - Jazz a Porquerolles Live (2011)
出汁をとるように季語を使うと言う言葉は覚えておこうと思いました。
俳句の作り方を料理にたとえてもらうとなんとなくではありますが
わかりやすいです。
表紙の男の人、すこし辛そうですね。
投稿情報: やのたかこ | 2013年10 月26日 (土) 00:41