「SASKIA」(編集発行:三枝桂子)9号(2013年8月)から。
三枝桂子の個人誌で、編集後記によると約3年ぶりの刊行。
特集は「飯島晴子 言語の魅力」。
津のだとも子「飯島晴子『蕨手』の世界」と、三枝桂子「俳句のかたち 『蕨手』と『八頭』」の2本を掲載している。後者は飯島晴子の作風の変化を追う。
《言葉と言葉を組み合わせ、その言葉たちの向こうに新しい時空を切り開こうとした晴子らしい部分と、少しずつ言葉を自分自身の肉体に寄り添うよう俳句形式の中で自然なかたちに変化させていったもう一つの晴子らしい部分。その両者が『八頭』には混在している。定型を保ったシンプルな形でありながら、そこに従来の俳句では出せない何か――。》
鐘撞きが告げるお降りの日なりけり 三枝桂子(「歳月」30句から)
松過ぎの交響曲に檜の香
松笠のひらく音して春の虹
はつなつの薄皮饅頭日和かな
氷室から糸ほどけゆくしびれ雲
かけがえのなきかわほりの耳二つ
毬栗の落ちるゆかしさ三拍子
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Cocteau Twins "Evangeline"
三枝桂子の個人誌で、編集後記によると約3年ぶりの刊行。
特集は「飯島晴子 言語の魅力」。
津のだとも子「飯島晴子『蕨手』の世界」と、三枝桂子「俳句のかたち 『蕨手』と『八頭』」の2本を掲載している。後者は飯島晴子の作風の変化を追う。
《言葉と言葉を組み合わせ、その言葉たちの向こうに新しい時空を切り開こうとした晴子らしい部分と、少しずつ言葉を自分自身の肉体に寄り添うよう俳句形式の中で自然なかたちに変化させていったもう一つの晴子らしい部分。その両者が『八頭』には混在している。定型を保ったシンプルな形でありながら、そこに従来の俳句では出せない何か――。》
鐘撞きが告げるお降りの日なりけり 三枝桂子(「歳月」30句から)
松過ぎの交響曲に檜の香
松笠のひらく音して春の虹
はつなつの薄皮饅頭日和かな
氷室から糸ほどけゆくしびれ雲
かけがえのなきかわほりの耳二つ
毬栗の落ちるゆかしさ三拍子
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Cocteau Twins "Evangeline"
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