「逸」(発行:花森こま)第32号(2013年9月)から。
花森こまによる中原徳子論、妹尾健連載評論第1回として澤田和弥句集『革命前夜』と澤好摩句集『光源』を論じた「前衛・偽前衛・非前衛について」、武邑くしひによる花森こま論等を掲載。
夏めく左腕いつも肘鉄のかたち 中原徳子(招待作品)
納豆の一族なれば 晴天なり 楢崎進弘(参加作品 200句「遊星歯車」より)
ああ、なんてこんなにいかのすがたやき
UFOを目撃すれば不在の父
少年の枕を濡らす須磨の浦
カップ麺ならばしばらくアルマジロ
天麩羅饂飩的状況ニ陥レリ
ゆきてアリスに訊ぬる魂(たま)の行方かな 武邑くしひ(50句「ペッカリ體内の謎」より)
バオバブのうろに籠りて明けやすし
虹二重濡れたフロントグラス越し
八荒を宇と爲すヤコブの梯子かな
大夕焼け美女が喰われてしまいけり 山口可久實
水着より美しき男根黒光り 澤田 澪
教科書や蒙古の船を息で吹く(七月十七日) 木戸葉三
ネオン街に連れてこられて葛餅は 石原ユキオ
法王の退位魚氷に上るかな 杉山あけみ
アグネスに狩られるまひるのゆめこそまことのゆめ 仲青
山藤の万上本みりん的容姿かな 佐藤榮市
序破急と生きて蛙の仰臥かな 石原 明(300句「ジェズイットの瞳」より)
少年の妖精画集風光る
缶詰の蓋開けやすし明易し
金塊のごときバターや終戦日
焼餅の形而上学としてのびる
寝積む間も化鳥うるさき滑走路
自画像のごとき蛇穴見つめをり
さよならを薔薇文字で書く水曜日 花森こま
*****************************************************
Bernd Alois Zimmermann: Die Soldaten (1965) (ベルンハルト・コンタルスキー指揮シュトゥットガルト州立歌劇場管弦楽団&合唱団 ベルント・アロイス・ツィンマーマン:歌劇『軍人たち』)
花森こまによる中原徳子論、妹尾健連載評論第1回として澤田和弥句集『革命前夜』と澤好摩句集『光源』を論じた「前衛・偽前衛・非前衛について」、武邑くしひによる花森こま論等を掲載。
夏めく左腕いつも肘鉄のかたち 中原徳子(招待作品)
納豆の一族なれば 晴天なり 楢崎進弘(参加作品 200句「遊星歯車」より)
ああ、なんてこんなにいかのすがたやき
UFOを目撃すれば不在の父
少年の枕を濡らす須磨の浦
カップ麺ならばしばらくアルマジロ
天麩羅饂飩的状況ニ陥レリ
ゆきてアリスに訊ぬる魂(たま)の行方かな 武邑くしひ(50句「ペッカリ體内の謎」より)
バオバブのうろに籠りて明けやすし
虹二重濡れたフロントグラス越し
八荒を宇と爲すヤコブの梯子かな
大夕焼け美女が喰われてしまいけり 山口可久實
水着より美しき男根黒光り 澤田 澪
教科書や蒙古の船を息で吹く(七月十七日) 木戸葉三
ネオン街に連れてこられて葛餅は 石原ユキオ
法王の退位魚氷に上るかな 杉山あけみ
アグネスに狩られるまひるのゆめこそまことのゆめ 仲青
山藤の万上本みりん的容姿かな 佐藤榮市
序破急と生きて蛙の仰臥かな 石原 明(300句「ジェズイットの瞳」より)
少年の妖精画集風光る
缶詰の蓋開けやすし明易し
金塊のごときバターや終戦日
焼餅の形而上学としてのびる
寝積む間も化鳥うるさき滑走路
自画像のごとき蛇穴見つめをり
さよならを薔薇文字で書く水曜日 花森こま
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Bernd Alois Zimmermann: Die Soldaten (1965) (ベルンハルト・コンタルスキー指揮シュトゥットガルト州立歌劇場管弦楽団&合唱団 ベルント・アロイス・ツィンマーマン:歌劇『軍人たち』)
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