「連衆」(編集:谷口慎也)No.66(2013年9月)から。
巻頭言に西原天気、招待作家に田島風亜(1956-2011、谷口慎也抄出)。
《作者としては「自分でもわからない句」がつくりたいクチですが(これがなかなか難しい)、一方で、「わからなさ」に価値を認めない向き、伝達性・了解性を詠み/読みの基盤にする向きも多い。こうした意味伝達・了解性をめぐる見解の相違が、俳句の中で境界線になっているフシがあります。有季と無季、定型と自由律といった分断よりもむしろこちらの断絶のほうが大きい気さえします。》(西原天気「巻頭言」)
ぴかぴかの月や失意のときに出て 田島風亜
小魚のゐてへこみゐる秋の水
ブロッコリー北海道より転がり来
わたくしは枯野のおおきな零である 松井康子(「連衆の作家たち」自選45句から)
この家の頭痛は軽いたとえばすみれ
精神が水のんでいるふたこぶ駱駝
炎帝のさびしき起重機(クレーン)あそびかな 谷口慎也
格差社会ユーゴーの薔薇立ち上がる 羽村美和子
されば鈍器のやさしさがあって初夏 普川 洋
どこも対岸おおきなベッドがある 松井康子
アゼルバイジャン最初はチョキを出す 情野千里
妖怪になるか外郎でもいいか 笹田かなえ
影は死なないから何でも食べる 神田カナン
海月の群で泳げない奴らの 有神論 男波弘志(特別作品「新古習合集」から)
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山下洋輔トリオ GUGAN
巻頭言に西原天気、招待作家に田島風亜(1956-2011、谷口慎也抄出)。
《作者としては「自分でもわからない句」がつくりたいクチですが(これがなかなか難しい)、一方で、「わからなさ」に価値を認めない向き、伝達性・了解性を詠み/読みの基盤にする向きも多い。こうした意味伝達・了解性をめぐる見解の相違が、俳句の中で境界線になっているフシがあります。有季と無季、定型と自由律といった分断よりもむしろこちらの断絶のほうが大きい気さえします。》(西原天気「巻頭言」)
ぴかぴかの月や失意のときに出て 田島風亜
小魚のゐてへこみゐる秋の水
ブロッコリー北海道より転がり来
わたくしは枯野のおおきな零である 松井康子(「連衆の作家たち」自選45句から)
この家の頭痛は軽いたとえばすみれ
精神が水のんでいるふたこぶ駱駝
炎帝のさびしき起重機(クレーン)あそびかな 谷口慎也
格差社会ユーゴーの薔薇立ち上がる 羽村美和子
されば鈍器のやさしさがあって初夏 普川 洋
どこも対岸おおきなベッドがある 松井康子
アゼルバイジャン最初はチョキを出す 情野千里
妖怪になるか外郎でもいいか 笹田かなえ
影は死なないから何でも食べる 神田カナン
海月の群で泳げない奴らの 有神論 男波弘志(特別作品「新古習合集」から)
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山下洋輔トリオ GUGAN
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