「小熊座」(発行:高野ムツオ)2013年10月号から。
渡辺誠一郎の俳句時評が恩田侑布子『余白の祭』について取り上げている。
《視点の正しさはその通りなのだが、恩田の視線の先に豊かで新しい俳句の地平が拡がるとも思えないのが気がかりだ。(中略)現実の生きる全てを引き受けて一つとなってこそ俳句表現である。テーマパーク俳句や密室での空想も相対化し、取り込むなかで、新たな現実と表現の拡がりが見えてくるように思えるのだ。》(「『余白の祭』から」)
コリア・デル・リオ
みな末裔アンダルシアの夏の影 高野ムツオ
サンティアゴ・デ・コンポステーラ
夏も時雨れて千年前の杖の音
日盛りや仮設百戸に音もなし 土見敬志郎
他界より浮名洩れくる凌霄花 平松彌榮子
ただいまと戻るままこのしりぬぐい 佐々木とみ子
フクシマの山河が歪む炎天下 阿部流水
盆供養墓は避難区動かざる
炎暑には次の世界がひそみいる 俘 夷蘭
原発のこと稲荷鮨食うときも 佐藤成之
《東京に7年後のオリンピック開催が決まった。東日本大震災の地から見ると東京がまた遠い存在になったように思える。》(編集後記・誠一郎)
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Peter Gabriel - Red Rain(HD)
渡辺誠一郎の俳句時評が恩田侑布子『余白の祭』について取り上げている。
《視点の正しさはその通りなのだが、恩田の視線の先に豊かで新しい俳句の地平が拡がるとも思えないのが気がかりだ。(中略)現実の生きる全てを引き受けて一つとなってこそ俳句表現である。テーマパーク俳句や密室での空想も相対化し、取り込むなかで、新たな現実と表現の拡がりが見えてくるように思えるのだ。》(「『余白の祭』から」)
コリア・デル・リオ
みな末裔アンダルシアの夏の影 高野ムツオ
サンティアゴ・デ・コンポステーラ
夏も時雨れて千年前の杖の音
日盛りや仮設百戸に音もなし 土見敬志郎
他界より浮名洩れくる凌霄花 平松彌榮子
ただいまと戻るままこのしりぬぐい 佐々木とみ子
フクシマの山河が歪む炎天下 阿部流水
盆供養墓は避難区動かざる
炎暑には次の世界がひそみいる 俘 夷蘭
原発のこと稲荷鮨食うときも 佐藤成之
《東京に7年後のオリンピック開催が決まった。東日本大震災の地から見ると東京がまた遠い存在になったように思える。》(編集後記・誠一郎)
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