「連衆」2012年5月号から。幻怪な佳句が多い。
招待作家は津沢マサ子と男波弘志。
天高しそしてわたしは何処の誰 津沢マサ子
人の世も自分も遠いとおい夏
泥葱のうつとりしつつ抜かれをり 男波弘志
鉄鉢の形(なり)を見てゐる春の鳥
鉄鉢の深入りしたる磧(いしかわら)
わが四肢を落ちつつ汚す椿かな
はなふぶき吐き白象は漂えり 高橋修宏
蛆の立つ地に湧きあがる独り神
納豆の糸引く千の英霊よ
食卓を昼のほたるが遠巻きに 谷口慎也
死はすでに用意してあるプールかな
ところてん不意に突かれて喜びぬ
具だくさんの味噌汁耳たぶ柔らかい 鍬塚聰子
枯蓮の枯れる音にもクセがある 真田豊明
ヤドカリをつまんで放る青き海 奥谷らん
新刊書積んで新茶の香のなかに 早坂かおり
以下、川柳作品。
わたし出直します 桃の種から 神田カナン
蛸壺天国ちょっとクネクネしてみよう 情野千里
谷口慎也氏の受贈書籍評で嵯峨根鈴子さんの『ファウルボール』、河内静魚氏の『夏風』等とともに拙句集も紹介されている。単なるペダントリーではないという点が汲み取っていただけた模様。
*****************************************************
Wolf Vostell E.d.H.R. 1968
コメントを投稿
コメントは記事の投稿者が承認してから表示されます。
アカウント情報
(名前は必須です。メールアドレスは公開されません。)
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。