「円座」(武藤紀子発行/中田剛・小川もも子編集)2011年10月号から。
主宰武藤紀子の師宇佐美魚目の句も5句ほど。
連載は中村雅樹「橋本鶏二覚書(4)」、中田剛「宇佐美魚目ラビリンス(4)」。
他に中村正幸による武藤紀子句集「百千鳥」評と、中田剛による武藤紀子論を掲載。
鵜が歩く松葉牡丹の咲く庭を 武藤紀子
桑の実のむらさき父も母もほとけ
青菜畑世阿弥に御慶申しけり 宇佐美魚目
中田剛の連載「宇佐美魚目ラビリンス」今号で取り上げられている名句《白昼を能見て過す蓬かな 魚目》に通じる一句。
真白な雲育ちをる夏料理 秋山百合子
薔薇残し閉ざす門扉や領事館 飯島 萌
ジギタリス生麦事件の径辿る 今井飛佐
みしと鳴る明治の教壇鷗外忌 碓井ちづるこ
鉈彫の仏の笑みや合歓の花 岡田美代子
青田守る奥松島の岩襖 目黒雅子
峰雲や仁王の腕はづされて 山中多美子
花石榴丸き敷石書院まで 安田三代子
以下は中田剛の編集後記から、異様で、やや親しみを覚えた部分。
《その年は無尽蔵といってもおかしくないほど蝉の殻が集まった。落葉を集めるように大ポリ袋いっぱいに蝉の殻を集めた。私はこれひとつひとつを接着剤でくっつけて蝉タワーなるものをこしらえた。それを上の子供の夏休みの宿題として提出した。我ながらなかなかにグロテスクで近寄りがたい迫力があった。ただ油虫を最たるものとして大の虫嫌いの女房より大ヒンシュクをかった。子供の小学校での評価もいまひとつのようであったが私は大満足した。》
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新建築住宅特集2010年12月号「富士桜の山荘・M」横河健
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