「連衆」No.61(2011年9月)から。
招待作家に津沢マサ子と五島高資、巻頭言に前田霧人、招待評論に高橋修宏(「病める日常へ――谷口慎也論」)が登場。
象の鼻遠くひとりの夏去りぬ 津沢マサ子
地下鉄の駅に滴るところかな 五島高資
天離る向こうガス田子安貝
ふと真空の旅人であり蝉しぐれ 谷口慎也
いつまでも寝ている巨人竹の秋 普川 洋
もしかして一人は二人 星型の心臓を食べている 吉田艸民
少年といふ武器棄てよ巴里祭 栗山豊秋
谷口慎也の「俳句初学⑩」は、『夏みかん酢つぱしいまさら純潔など』の鈴木しづ子を取り上げている。
「私の勉強不足のため、私と〈鈴木しづ子〉との出会いはごく最近のことになります」という谷口慎也がしづ子の肖像を見たところ、なんと少年期、戦後すぐの大牟田で「私の記憶の中に、ほのかな甘い香りだけを残して消えた」「あの人」そのものであったという、丸谷才一の短篇「横しぐれ」における山頭火のような話になったところで、以下次回。
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Mark Goldenberg "Orpheus, No" 1984 Suntory Royal " Gaudí " II
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