毎年夏休みに行なわれる「新潮文庫の100冊」フェア、ときどきパンフを見て、今年は誰それも落ちたかとか、あれを入れればいいのにと不眠の暇に頭でリストを作ってしまったりする(今年は色川武大『うらおもて人生録』が入ったのはいいが、大江健三郎も大岡昇平も落ちてしまった)。
大岡は「野火」より「俘虜記」のほうがいいし、漱石なら「こころ」より「猫」ではないかとか、芥川や乱歩は入れたいけど他社でいくらでも読めるから代わりに第三の新人や内向の世代あたりをちょっと入れ、それから読みたいのだが手に入らないあれやこれやも適当に入れてなどとやっていたらだんだん復刊希望リストみたいになってきた(よって読んでいないのがごろごろ入っている)。
一度は新潮文庫から出ていたことのあるものに範囲を限った(単行本を文庫化して入れるのをアリにすると、叢書「創造の小径」とかロブ=グリエとかボルヘスとかフーコーとかが大挙して入ってきて収拾がつかなくなる)。
時代・歴史小説、SF、ミステリ等、ジャンル小説があまり入れられなかった。先日亡くなった小松左京の短篇集なども結構出ていたのだが。
阿部和重 『インディヴィジュアル・プロジェクション』
安部公房 『笑う月』
池澤夏樹 『南鳥島特別航路』
石川 淳 『焼跡のイエス・処女懐胎』
五木寛之 『風の王国』
井伏鱒二 『駅前旅館』
色川武大 『ぼうふら漂遊記』
岩野泡鳴 『泡鳴五部作(上・下)』
宇野浩二 『子を貸し屋』
梅崎春生 『幻化』
円地文子 『菊慈童』
大江健三郎 『同時代ゲーム』※
大岡昇平 『俘虜記』(横光利一賞)
荻原井泉水 『奥の細道ノート』
尾崎一雄 『暢気眼鏡』(芥川賞)
大佛次郎 『風船』
尾辻克彦・赤瀬川原平 『東京路上探険記』(講談社エッセイ賞)
葛西善蔵 『葛西善蔵集』
梶井基次郎 『檸檬』
金井美恵子 『夢の時間』
川端 康成 『眠れる美女』※
川又千秋 『人形都市』
河盛好蔵 『藤村のパリ』(読売文学賞)
上林 暁 『聖ヨハネ病院にて』 (新潮文庫)
久世光彦 『一九三四年冬―乱歩』(山本周五郎賞)
倉橋由美子 『アマノン国往還記』(泉鏡花文学賞)
幸田露伴 『太公望・王羲之』
河野多恵子 『幼児狩り・蟹』(芥川賞)
小島信夫 『アメリカン・スクール』(芥川賞)
小林秀雄 『近代絵画』
小林信彦 『夢の砦(上・下)』
坂口安吾 『白痴』 (新潮文庫)
佐多稲子 『夏の栞―中野重治をおくる』(毎日芸術賞・朝日賞)
椎名麟三 『美しい女』(芸術選奨)
獅子文六 『てんやわんや』
末木文美士 『日本仏教史―思想史としてのアプローチ』
島尾敏雄 『死の棘』(芸術選奨・読売文学賞・日本文学大賞)
東海林さだお 『ショージ君の「料理大好き!」』
高橋源一郎 『虹の彼方に』
武田泰淳 『快楽(上・下)』(日本文学大賞)
田中小実昌 『ぼくのシネマ・グラフィティ』
谷崎潤一郎 『鍵・瘋癩老人日記』
檀 一雄 『火宅の人(上・下)』
筒井康隆 『虚航船団』
徳田秋声 『爛』
中上健次 『地の果て、至上の時』
中沢新一 『鳥の仏教』
中野重治 『むらぎも』(毎日出版文化賞)
中村真一郎 『王朝物語』
中原昌也 『あらゆる場所に花束が…』(三島由紀夫賞)
夏目漱石 『吾輩は猫である』
西脇順三郎 『西脇順三郎詩集』
野上弥生子 『森』(日本文学大賞)
野坂昭如 『エロ事師たち』
半村 良 『魔境殺神事件』
日夏耿之介 『日夏耿之介詩集』
日野啓三 『台風の眼』(野間文芸賞)
深沢七郎 『楢山節考』(中央公論新人賞)
福永武彦 『死の島(上・下)』(日本文学大賞)
二葉亭四迷 『平凡』
古井由吉 『杳子・妻隠』(芥川賞)
保坂和志 『この人の閾』(芥川賞)
堀田善衛 『路上の人』
堀江敏幸 『おぱらばん』(三島由紀夫賞)
丸谷才一 『笹まくら』
三浦哲郎 『モーツァルト荘』
三島由紀夫 『花ざかりの森・憂国』
森 茉莉 『甘い蜜の部屋』(泉鏡花文学賞)
安岡章太郎 『流離譚(上・下)』(日本文学大賞)
山下洋輔 『ピアニストを笑え』
山田風太郎 『明治波濤歌(上・下)』
結城昌治 『偽名』
吉田秀和 『世界の指揮者』
吉村 昭 『ふぉん・しいほるとの娘(上・下)』(吉川英治文学賞)
フランツ・カフカ 『城』
G・ガルシア=マルケス 『予告された殺人の記録』※
ロバート・クーヴァー 『ユニヴァーサル野球協会』
ニコライ・ゴーゴリ 『死せる魂(上・下)』
ウィリアム・コツウィンクル『E.T.』
ウィリアム・ゴールディング『蠅の王』※
ジャン=ポール・サルトル『水いらず』
ウィリアム・シェイクスピア『リア王』
アンドレ・ジッド 『贋金つかい』 ※
ジョナサン・スウィフト 『ガリヴァ旅行記』
エミール・ゾラ 『居酒屋』
アレクサンドル・ソルジェニーツィン『収容所群島(全6巻)』※
フョードル・ドストエフスキー『悪霊(上・下)』
ウラジミール・ナボコフ 『ロリータ』
ボリス・パステルナーク 『ドクトル・ジバゴ(上・下)』※
オルダス・ハックスレー 『ガザに盲いて(上・下)』
J・G・バラード 『奇跡の大河』
オノレ・ド・バルザック 『暗黒事件』
ギュスターヴ・フローベール『ボヴァリー夫人』
エドガー・アラン・ポー 『黒猫・アッシャー家の崩壊』
シャルル・ボードレール 『悪の華』
ポール・ボウルズ 『シェルタリング・スカイ』
ウィリアム・フォークナー『八月の光』※
アーネスト・ヘミングウェイ『移動祝祭日』※
トーマス・マン 『魔の山(上・下)』※
ドリス・レッシング 『破壊者ベンの誕生』※
「※」印はノーベル文学賞受賞者(サルトルは辞退、パステルナークは辞退させられたが没後遺族が受け取った)。
実際にこんなラインナップでフェアを組んだらへ返本の山になることと思う。
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台風によるさっきの大雨で、震災後今まで無事だった1階の2部屋までもが雨漏りが始まった。天井2箇所に大きな染みが出来ている。
工事してもらえるのは一体いつになることか。
コメント
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