今月(2011年7月)創刊の新雑誌「鏡」(寺澤一雄)から、一人一句ずつ抄出。
うすらひの全てに濡れがゆき亘る 八田木枯
軍鶏食ふやべんがら色の四畳半 大木孝子
坂道のわきも坂道風光る 中村 裕
鏡より出で初ざくら見に行かむ 笹木くろえ
金槌の頭はづれて黄のてふてふ 西原天気
借景は東京ドーム梅真白 谷 雅子
火を焚いてわがふるさとは冥き國 村井康司
あたたかき車道にたにし出でにけり 木綿
春いまだ水浅ければ風の皺 萱野匡夫
少女らの手足長しよ花辛夷 森宮保子
冬キャベツとんかつに添ひ輝ける 寺澤一雄
亀鳴いて人体模型ばらばらに 大上朝美
蝋梅のための扉の幾重にも 羽田野令 ※「蝋」は旧字
あとがきによると八田木枯の「晩紅」が34号で休刊となり、それを受けての、八田木枯を中心とした後継同人誌ということらしい。
上掲各人による作品14句のほかに、中村裕「素老人のうごき咲―八田木枯『鏡騒』を読む」」、寺澤一雄「大地震でも放射能でも俳句」の散文2本掲載。
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