そしてこちらが先日届いた「翔臨」第67号(平成22年2月28日発行)。
雑誌の方向性がはっきりしていて、全体として硬質で明快な混沌とでもいった領域を探っている。
麦は穂にどこか寂しき洗濯機 上野遊馬
線路より顔出す鼠春寒し 中野真奈美
落ちくるまで掌の所在なき紙風船 滝美代
次の間に琴柱倒るる春の闇 森三代子
啓蟄や額犇く七福神 瀬社家 優
使徒は唄ふ洲のふち濡れてあたたかし 竹中宏
以上、見返しの「椒林」欄から。
ミサイルを引きずりゆけり枯れ芭蕉 竹中宏
自販機のかがやきゆるし歳守る
寒去るに虎斑(とらふ)に描く鷹の脚
滝壺に和式おまるが旋回す 小笠原信
灯が乏しかり唐辛子天こ盛り 中田剛
珈琲店廃墟なりけりしぐれけり
身に沁むや言語のなかに白き浪 百尾庸子
白鳥は己れのすがたにとりまかれ 岩井未知
毒茸の無垢の白さを穢すなよ 中村紅絲
新しき障子に映えてピアノソロ 小山森生
「暫」の袖の如くに干し蒲団 小笠原京
仏壇の前の座布団にかまきりが
湯気立てて見慣れし庭の夕景色 海老禮子
父のせしごとく子連れや大根蒔く 島田刀根夫
灯をのこしおく行秋の能舞臺
花の雲なに解りゐる今日の母 中島博
ガムテープ貼りたる法被猿使ひ 小林千史
厠より富士の真顔や風車
餅肌に土かぶりたる相撲かな 中野真奈美
エスカレーターが深部へ大嚔 西川章夫
鯉茶屋の鯉に日が射し片時雨 河村喜代子
田を植ゑて大地あらたむ紺単衣 檜 學
アーサーの王座に近く秋薊 八島惠理
雑誌の方向性がはっきりしていて、全体として硬質で明快な混沌とでもいった領域を探っている。
麦は穂にどこか寂しき洗濯機 上野遊馬
線路より顔出す鼠春寒し 中野真奈美
落ちくるまで掌の所在なき紙風船 滝美代
次の間に琴柱倒るる春の闇 森三代子
啓蟄や額犇く七福神 瀬社家 優
使徒は唄ふ洲のふち濡れてあたたかし 竹中宏
以上、見返しの「椒林」欄から。
ミサイルを引きずりゆけり枯れ芭蕉 竹中宏
自販機のかがやきゆるし歳守る
寒去るに虎斑(とらふ)に描く鷹の脚
滝壺に和式おまるが旋回す 小笠原信
灯が乏しかり唐辛子天こ盛り 中田剛
珈琲店廃墟なりけりしぐれけり
身に沁むや言語のなかに白き浪 百尾庸子
白鳥は己れのすがたにとりまかれ 岩井未知
毒茸の無垢の白さを穢すなよ 中村紅絲
新しき障子に映えてピアノソロ 小山森生
「暫」の袖の如くに干し蒲団 小笠原京
仏壇の前の座布団にかまきりが
湯気立てて見慣れし庭の夕景色 海老禮子
父のせしごとく子連れや大根蒔く 島田刀根夫
灯をのこしおく行秋の能舞臺
花の雲なに解りゐる今日の母 中島博
ガムテープ貼りたる法被猿使ひ 小林千史
厠より富士の真顔や風車
餅肌に土かぶりたる相撲かな 中野真奈美
エスカレーターが深部へ大嚔 西川章夫
鯉茶屋の鯉に日が射し片時雨 河村喜代子
田を植ゑて大地あらたむ紺単衣 檜 學
アーサーの王座に近く秋薊 八島惠理
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