「翔臨」第66号は平成21年10月31日発行。
ずいぶん前にいただいていたのだがぐずぐずとブログに上げられずにいるうちに、次の67号をいただいてしまった。
取り急ぎ句の抜粋のみ。
崖わたる蛇やずることくりかへす 竹中宏
老少年(かまつか)には草田男夫妻ダリ夫妻
月ともに酔ふウイグルの隆額(たかびたひ)
汽車をはなれ汽笛はさぐる葡萄棚
大冊に一句を索(もと)む菊の昼
大池の端つこに杭縞蚊出づ 小山森生
掃苔の後のとうすみ蜻蛉かな
氷挽く氷砂糖を口に入れ 中田剛
片陰や眼鏡をにぎり護符さげて 泉史
呻吟の止みたる部屋の秋蠶かな
嘴先まで神経とほり泥鰌食ぶ 岩井未知
夏風邪や五十年折れぬ体温計
暑いから塩煎餅を総括する 上野遊馬
ルミノール反応が出て夕焼けの部屋
空蝉の眼玉をこえる山の蟻 中野真由美
秋風に醒めたる人の馬さながら 小林千史
月光のとどく飴玉切子の壷 百尾庸子
晝寢とてほどよき風の北枕 島田刀根夫
川床の灯をひとつのこして掃きはじむ
本町地下連絡通路梅雨の染み 小笠原信
白光を負うて峰雲前のめり 中村紅絲
常滑の通り賑はふ子供の日 上羽美津子
死火山を擬態と思ふ紅葉狩 小笠原京
陽当らぬ方に片寄る残り鴨
箒目を蜥蜴が走る枯山水 宮戸君代
硝子越しにフィアットの赤蝸牛 八島惠理
ずいぶん前にいただいていたのだがぐずぐずとブログに上げられずにいるうちに、次の67号をいただいてしまった。
取り急ぎ句の抜粋のみ。
崖わたる蛇やずることくりかへす 竹中宏
老少年(かまつか)には草田男夫妻ダリ夫妻
月ともに酔ふウイグルの隆額(たかびたひ)
汽車をはなれ汽笛はさぐる葡萄棚
大冊に一句を索(もと)む菊の昼
大池の端つこに杭縞蚊出づ 小山森生
掃苔の後のとうすみ蜻蛉かな
氷挽く氷砂糖を口に入れ 中田剛
片陰や眼鏡をにぎり護符さげて 泉史
呻吟の止みたる部屋の秋蠶かな
嘴先まで神経とほり泥鰌食ぶ 岩井未知
夏風邪や五十年折れぬ体温計
暑いから塩煎餅を総括する 上野遊馬
ルミノール反応が出て夕焼けの部屋
空蝉の眼玉をこえる山の蟻 中野真由美
秋風に醒めたる人の馬さながら 小林千史
月光のとどく飴玉切子の壷 百尾庸子
晝寢とてほどよき風の北枕 島田刀根夫
川床の灯をひとつのこして掃きはじむ
本町地下連絡通路梅雨の染み 小笠原信
白光を負うて峰雲前のめり 中村紅絲
常滑の通り賑はふ子供の日 上羽美津子
死火山を擬態と思ふ紅葉狩 小笠原京
陽当らぬ方に片寄る残り鴨
箒目を蜥蜴が走る枯山水 宮戸君代
硝子越しにフィアットの赤蝸牛 八島惠理
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