発行・透土社/発売・丸善
2000年
これは鳴戸奈菜氏から頂いたもの。
耕衣の句やエッセイからの抜粋を、余白を大きく取った一句一頁のレイアウトに散らし、そこに編訳者二人の英訳が付く。
耕衣本人の書や画も多数入った贅沢なつくりで、さながら美術館内を散策するような読書体験が味わえる。
耕衣と美術館というと突飛な組み合わせのようだが、城山三郎による耕衣の評伝『部長の大晩年』には冒頭、定年を迎えた耕衣が「恒例の送別会の宴会」を宴会嫌いゆえに断わり、その代わりにと有志を募って京都で開催中だったルーブル美術館展(当時はまだ貴重な機会であった)へ10人ほどを伴って行ってしまうという型破りなエピソードが紹介されている。
この本の造りもまた耕衣のそうした一面に沿った造りと言えようか。
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