今年の読み初めが森奈津子『スーパー乙女大戦』になって、装幀がこういうものだったので句にしようかとも思ったが、いかにも私がやりそうなのでやめた。
2016年の暮に地元の古本屋「まんがらんど」が閉店してしまったのだが、その時に9割引セールで適当に買い込んだラノベ・BL類の山が今月ようやく全部片付いた。
森奈津子『スーパー乙女大戦』徳間文庫・2013年
《聖アンナ女学院高等部の寮が突如亜空間に移動。現れた天使リリスは驚愕の事実を告げる。寮に残った七人の女子が地球を守る戦士に選ばれたと! 優等生美祈子、ボーイッシュ真琴、オタク冬子、不良沙希、モデルかれん、ロリ美少女夢乃、野性児マナ。彼女たちは女性型ロボット・スーパーガイアを操り、次々と現れる巨大怪獣と戦うことになったのだった!! そう、性の快感エネルギーを使って!》
神林長平『いま集合的無意識を、』ハヤカワ文庫・2012年
《30年以上SFを書いてきたぼくは、第一線をはなれたような気分になっていた――ベテラン作家が、伊藤計劃『ハーモニー』と3・11後のフィクションの可能性を考察する表題作、深井零がパーソナルなコンピュータを追い求めた記憶を語る“戦闘妖精・雪風”シリーズのスピンオフ「ぼくの、マシン」、多世界解釈を巡る異色スペースオペラ「かくも無数の悲鳴」など、変遷し続けるコミュニケーションの様相を切り取った全6篇を収録。》
収録作品=ぼくの、マシン/切り落とし/ウィスカー/自・我・像/かくも無数の悲鳴/いま集合的無意識を、
東浩紀『クォンタム・ファミリーズ』河出文庫・2013年(三島由紀夫賞)
《人生の折り返し、三五歳を迎えたぼくに、いるはずのない未来の娘からメールが届いた。ぼくは娘に導かれ、新しい家族が待つ新しい人生に足を踏み入れるのだが……核家族を作れない「量子家族」が複数の世界を旅する奇妙な物語。ぼくたちはどこへ行き、どこへ帰ろうとしているのか。三島由紀夫賞受賞作。 解説=筒井康隆》
片岡義男『ふたり景色』角川文庫・1984年
《彼女は美しく賢い。だから強い。彼は、やさしくて力持ち。そして、ほんのりといいかげん。だからこそ、このふたりは、ラヴ・ストーリーの主役。彼らは、景色。ふたりがいるところにできる景色、それはラヴ・ストーリーのはじまり、ラヴ・ストーリーの途中、そしてラヴ・ストーリーのラスト・シーン。》
片岡義男『寝顔やさしく』角川文庫・1985年
《自分がもっとも自分らしくある時間は、じつは寝顔の時間なのです。眠っているときの自分の寝顔をあるひとりの男性が見て、彼女の寝顔はこんなにやさしかったのかと認識をあらたにしてくれるのは、なにも知らずに眠っているとはいえ、気分のいいことです。気分のいい状況をうまくつくるのは、しかし、むずかしいようです。》
片岡義男『心のままに』角川文庫・1985年
《物語がはしまったとき、人間関係はすでに解体されています。しかし気持はつながっています。どの人にも新らしい関係ができつつあるとき、もとの関係の当事者たちが、ある夏の日、ひとつのところにふと集まります。解体するにせよ新らしく生まれるにせよ、関係の変動こそ、ドラマなのです。夢なのです。》
片岡義男『誰もがいま淋しい』角川文庫・1984年
《素適な彼女のそばには、その彼女にふさわしい男性を、置いてみたくなります。ほんのちょっとしたことをきっかけにふたりは知り合い、関係をつくります。いい友だちになっていきます。楽しい関係の、そのもっとも楽しい部分をとおして、賢い彼女は、淋しさを知ります。彼女はその淋しさを楽しみます。なぜなら、淋しさを知って自分はなおいっそう素適になれることを、彼女は知っているからです。》
赤川次郎『猫は怖いか可愛いか』集英社文庫・1986年
《自由自在、神出鬼没。コワイ、可愛い。赤川センセイの辺りにいる様々な猫たちの愉しい話。少年時代の思い出や小説を書き初めた頃のこと。好きな映画や音楽、忙しい合間をぬっての旅行記など……。大ベストセラー作家のヒミツの日常生活と意見を飾らない言葉とユーモアで綴る。赤川ファン必読のオリジナルエッセイ集。 解説・田中雅美》
片岡義男『Ten Years After』角川文庫・1982年
《真夏の陽ざしをオートバイでかいくぐり、ふたりで城趾公園へやって来た。ベンチにすわって彼女を待った。オープン・カーで来た彼女は、ドアを開けずにまたいで降り、ベンチヘ歩いて来た。まんなかにすわった彼女は、「ふたりでベンチにすわってるところは、ブックエンドみたいよ」と、美しい笑顔で言った。つらい夏のはじまりだ、粋に明るくいくしかない。》
片岡義男『and I Love Her』角川文庫・1982年
《なにをしているというわけでもないけれど、なにか自分好みのことをしている、みじかい不思議な自由時間。誰もが体験している時間ですし、とても大切なひとときなのですが、すぐに消え去り忘れてしまいます。こんな時間をひとりの女性の一年間のなかからひろい集めたのが、この本です。愛する彼女の伝記だと、著者は言うのですが。》
大原まり子『一人で歩いていった猫』ハヤカワ文庫・1982年
《彼は天使描と呼ばれている。なぜなら、彼の背中には銀色に輝く見事な翼が生えていたからだ。もちろん、彼の姿は猫そのもの――直立二足歩行の巨大な赤猫だった。トレボロ人は体表に無数の目を待ち、ラジェンドラ人は竜にそっくり。そして彼らは流刑囚として、進化の袋小路にある惑星、地球へと送りこまれた……第六回ハヤカワ・SFコンテスト受賞作となった表題作ほか、宇宙SFの雰囲気にあふれた作品をここに結集。スペース・オペラの奔放な想像力と現代SFの洗練をあわせ待つ、待望のモダン・スペース・オペラの書き手がついに登場した!》
赤川次郎『セーラー服と機関銃3 疾走』角川文庫・2016年
《17歳の星叶は、演劇愛好会の夏合宿の帰り道、山中でひっそりと暮らす母・泉と再会する。ごく普通の高校生からヤクザの組長になった泉は、ドイツの会社で働いていた!? その直後から、友人が殺されたり、尾行されたり、ついには知らない男たちに追われたり。間一髪の所で助けだされ、連れて行かれた屋敷の寝室には20代の母と知らない男性が写っている写真が飾ってあった……。星親子が大活躍! 大ベストセラーの続編、登場。》
内藤正典『限界の現代史 イスラームが破壊する欺瞞の世界秩序』集英社新書・2018年
《シリア、イエメンなど中東で頻発する虐殺や弾圧、それから逃れる大量の難民、欧米で繰り返されるテロなどの問題に対して有効な手立てを失った国際社会。その背景には、アメリカ、EU、国連、領域国民国家、西欧啓蒙思想など、第二次大戦後の世界の安定を担ってきたシステムと秩序の崩壊という現実がある。
この崩壊過程の末には何があるのか? トルコを中心としたスンナ派イスラーム世界の動向と、ロシア、中国といった新たな「帝国」の勃興を見据え、展望を解説する。現代の“限界”の理由を概観し、文明の衝突を超え、日本はどうあるべきかを考えるための、現代史講義。》
ノーム・チョムスキー、レイ・カーツワイル、 マーティン・ウルフ、 ビャルケ・インゲルス、 フリーマン・ダイソン/吉成真由美[インタビュー・編]『人類の未来―AI、経済、民主主義』NHK出版新書・2017年
《トランプ政権と民主主義のゆくえは? EUの将来は? 世界経済は今後どう変わるのか? シンギュラリティとはそもそも何か? 国際情勢、AIと人間、気候問題、都市とライフスタイルの未来像……。データとファクト重視、冷徹な現状分析を旨とする大御所たちに、「都市を変えるアイディア」を実践している若き知性を加えた計5人にズバリ斬り込み、今いちばん知りたいことに明確なビジョンを示す大興奮の一冊。》
津本陽・選『勝負』集英社文庫・1985年
《剣あり忍法あり柔術あり、バラエティに富んで、時代小説の面白さの真髄を披瀝。
《収録作品》
柔術師弟記=池波正太郎
おしゃべり剣士=神坂次郎
無刀取り=五味康祐
蟹眼の大事=早乙女貢
伊賀の四鬼=司馬遼太郎
塚原卜伝=柴田錬三郎
上意討ち心得=滝口康彦
閃(せん)=綱淵謙錠
暗殺剣虎ノ眼=藤沢周平
くノー地獄変=山田風太郎
宵宮の五人斬り=津本陽
解説・津本陽》
司馬遼太郎『北斗の人』講談社文庫・1972年
《剣に賭ける周作の悲願は、古法の兵法から合理的な竹刀剣術への創始にあった。江戸表の他流に挑むや、天賦の才は忽ち冴えて並ぶ者なく、かつて苦渋をなめた馬庭念流と雌雄を決すべく上州へ乗りこんでゆく――。奥義にいう“それ剣は瞬息、心気力の一致”北辰一刀流開祖、千葉周作の生涯を描く傑作。》
釘宮つかさ『救世主は異世界の王に求婚される』プリズム文庫・2019年
《気づいたとき、橙莉はまったく知らない場所にいた。交通事故に遭い、自分は死ぬのだと諦めかけていたのに、なんと異世界に召喚されてしまったのだ。橙莉を召喚したのは、片想い中の同僚にそっくりな男。そして、その男から、自分とセックスして国を救う“救世主”を産んでほしいと頼まれる。自分は男だから、妊娠なんてできない。だいいち、いくら好きな相手に似ているからといって、簡単には頷けなくて――。》
レミ・ド・グールモン『仮面の書』国書刊行会・1984年
《象徴主義の代表的理論家グールモンが犀利な観察眼と見事な文体で綴る世紀末フランス文人列伝。リラダン、ロートレアモン、マラルメ、ランボー等々50人に及ぶ同時代人の肖像に貴重な木版画をそえる。》
山藍紫姫子『蘭陵王』立風書房・1994年
《北斉の蘭陵王長恭は、世にもまれなる美貌を隠すため、獰猛な仮面を着けて出陣し、敵の大軍を撃破した――。中国南北朝の故事の材を得た奔放な創作バレエ「陵王」。一方、妖しく踊る天才ダンサー土御門玲司にも、醜悪と艶麗、淫蕩と無垢、いずれが仮面とは知れぬ二つの顔があった……。》
栗本薫『鬼』ハルキ・ホラー文庫・2004年
《幼少の頃から、息詰まる家庭の中で育ってきた克子。父の怒り、母の悪態、祖母の呪詛。一人暮らしになってからも、粘り着くような憂鬱感と、ぎりぎりとした頭痛に近い怒りが、克子の生活を呪縛していた。騒音、そして近所に住む者たちの異常さによって、克子は気が狂う寸前まで追いつめられていくのだが……人間の心の闇を鮮やかに描く、心理ホラー小説の傑作書き下ろし!》
田村光昭『麻雀ブルース』角川文庫・1983年
《これはいわゆる麻雀小説ではない。主人公は作者と等身大の麻雀ヒッピーではあるが、70年安保闘争などで挫折を味わった若者の乾いた心根が全編に透かし見えており、その意味で一時代を画す秀抜な風俗読物たり得ている。
――阿佐田哲也
この状況は緊張感が支配している。
私はリーチをかけてしまった。ドラ待ちでもないのに、そんな時に限って、そのドラを持ってきてしまう。
私がうつむいて、おそるおそる河に捨て、皆様におうかがいをたてると、対面の方から田村さんは笑い声で答えてくれる。その声は実に気持の良い声で、私は和みに和んでしまう。
もちろん、そのドラで田村さんの手牌が倒れた訳ではない。
――井上陽水》
葵居ゆゆ『薔薇十字叢書 ようかい菓子舗京極堂』講談社X文庫・2015年
《「からかさおばけ、好きですか?」ある日突然、京極堂に転がり込んだ和菓子職人の卵・粟池太郎。名店を復活させるべく軒先で妖怪和菓子露店を開くが、訪れるのは私立探偵や売れない小説家ばかり。おまけに関口巽が、面倒な事件を持ちこんで!? 一つ目小僧のみたらし団子、煙々羅の水蜜寒、幽霊カステラ、座敷童ぜんざい。奇妙なかたちの妖怪和菓子を片手に、京極堂こと中禅寺秋彦が日常に潜む秘密を暴く短編ミステリ集。》
片岡義男『ボビーに首ったけ』角川文庫・1980年
《雨が降り、風が吹き、陽が射します。樹々が深い緑に輝き、センターラインが追い越し禁止のオレンジ色に変わるころ、ふりむけば青い空に積乱雲が、まっ白に屹立しています。
片岡義男が描いてくれるドラマが、ここから始まります。》
収録作品=ボビーに首ったけ/どしゃ降りのラスト・シーン/烏なぜ啼く/月見草のテーマ/朝になったら、タッチミー/彼のお気にいり/いまから一〇〇年あと
片岡義男『ラジオが泣いた夜』角川文庫・1980年
《都会を雷鳴と稲妻が叩く夜、ふたりの青年が美しい女性を泣かせます。島育ちの青年たちはすさまじい復讐をし、夜行列車の青年はやはりろくでなしでした。アリゾナの荒野の青年は今日も風をうけ、白い町の彼は恋人を血で飾ります。かつて青年だった男は「乙女の祈り」をカー・ラジオで聴いて前後不覚の二日酔い。お待たせしました、どれもこれも片岡義男の世界です。さらさらに乾いています。》
収録作品=至近距離/ラジオが泣いた夜/白い町/夜行ならブルースが聴こえる/明日が来るわけない/ハッピー・エンディング/高原のティー・タイム/心をこめてカボチャ畑にすわる/俺を起こして、さよならと言った
片岡義男『俺のハートがNOと言う』角川文庫・1981年
《一年まえの彼女に会いにいくべきか。それとも、ほっておくべきか。オートバイのオイルを交換しながら、自分で自分のハートにきいてみる。会わずにおこうか。彼女のいる町は素通りしようか。NO、それはないよ、会うべきだ、とハートが言う。だから彼は、熱い陽ざしをかいくぐって北へむかい、彼女に会いにいく。夏の物語が、またひとつ、こうしてはじまる。》
収録作品=ブルースのブランケットにくるまって/クロスロード/約束/水玉模様と月の光り/俺のハートがNOと言う
赤江瀑『海贄考』徳間文庫・1986年
《十三年の結婚生活の後、愛のなくなった妻とわたしの人生は終っていた。死出の旅の途中で行きあった名も知らぬ土地、鐘ケ関。日暮れの海に身を投じた二人だが、わたしだけが漁船に救われてしまった。鐘ケ関では溺死者をエビス様と崇め、これを拾うと漁にありつけるという。わたしも「エビっさん」と呼ばれ、村に住みつくのだが……。民間伝承に材をとった表題作のほか、生と死の幻想が交錯する傑作短篇七篇を収録。》
収録作品=海贄考/悪い鏡/浮寝の骨/硝子のライオン/幻鯨/月下殺生/外道狩り/火藪記
栗城偲『ラブデリカテッセン』ディアプラス文庫・2019年
《料理研究家の嗣巳は高校の同級生・山江と仕事先で再会する。細身なのによく食べる彼は、今は動画投稿中心に大食いジャンルで活動するタレントになっていた。かつて大好きだったのに大嫌いになったその山江から嗣巳へ伝えられたのは謝罪と過去の恋心、そして「友達になれるチャンスをください」という願いだった。わだかまりを抱えながらも、嗣巳は山江からたびたび誘われるうちに……? 十年越しのこじらせラブ♡》
栗城偲『バイアス恋愛回路』ディアプラス文庫・2018年
《ひっそり見ていただけで、片想いの男に嫌われてしまった響(ひびき)。彼を目で探すくせが抜けず、その友人の十時(ととき)から監視されるようになる。恋をしたことがないという一つ上の十時は、なぜか響を『恋愛の先生』扱いし、二人は恋愛映画や少女漫画を一緒に楽しむ仲に。やがて響は十時に惹かれていき、キスをされた後に告白する。ところが、十時からの返事は思いもよらぬもので……? 恋愛音痴×片恋専門、初めての両想いラブ♡》
赤江瀑『アニマルの謝肉祭』文春文庫・1985年
《高名なヘアデザイナー、楯林驍。27歳。ライバルが美容室の開店前日に不審火で焼死。彼も京都で命をねらわれ、やがて、博多、パリで殺人事件が……。マザー・グースの七曜歌に託された出生の秘密とは何か? 祇園祭月鉾の破風拝みの“烏”に秘められた謎とは? 華麗な美容界を舞台に、妖しくも不吉なドラマが進行する傑作長篇推理。》
氷室冴子『なぎさボーイ』コバルト文庫・1984年
《“男はすべからく泰然と構える”のが理想の俺なのに、体は小づくり、しかも女顔、とどめが名前で雨城なぎさ! 幼稚園で複数の男どもから求愛され、今は蕨第一中全校生徒からなぎさちゃん呼ばわりだ。その屈辱の過去の元凶北里と、ちゃん付けの張本人多恵子が俺に囁いた。三四郎が恋わずらい!?――恋に、受験に、揺れる青春前期、肩肘つっぱらかったシャイボーイの、悪戦苦闘のラブコメディ!》
氷室冴子『多恵子ガール』コバルト文庫・1985年
《特別な人。たとえば、誰にどんなふうに見られてもいいけど、世間の目なんかかまっちやいないけど、その人に変に思われたくない、その人の目には、とびきりの自分が映っててほしい。そんなふう? そんな人なら、いる。いるけど。――シャイなクセに肩肘張って、勝手にあたふたしてるあのなぎさくんを、多恵子の目で覗いてみれば……? というわけで、『なぎさボーイ』姉妹編待望の登場です!!》
栗本薫『天国への階段』角川文庫・1981年
《大きな謎めいた目と、艶やかに塗りたてられたくちびる……。いくつもの恋とスキャンダルに包まれ、それを栄冠のように考えていた大都会のバラのような女優・高品麻衣子。彼女がとつぜん睡眠薬自殺を遂げた!
――何故か? 自殺の原因をめぐってマスコミは騒々しい報道を繰り返している。が、彼女の自殺の本当の理由はこのぼくだけしか説明できないのだ。そんな想いを胸に、その晩ぼくは酒を飲みに出た……。
都会に繰り広げられるミステリアスな人間模様と情況を描いた、新感覚の作品集。》
収録作品=探偵(哀しきチェイサー)/イエロー・マジック・カーニバル/ワン・ウェイ・チケット/天国への階段/新宿バックストリート/ポップコーンをほおばって/おいしい水/軽井沢心中/イミテーション・ゴールド
ピーター・ベンチリー『海棲獣』角川ホラー文庫・1995年
《サメを愛する海洋研究家・サイモンの前に正体不明の凶暴な生物が現れた。鋭い金属製の牙と鉤爪を持つ“それ”は恐るべき残虐さで次々とあらゆる生物を襲い、人間にも犠牲者が続出する。これはやはり本当にサメなのか、それとも……そして調査を進めるうちに、五十年前、ナチスが計画した壮大な悪魔の実験が浮かび上がってきた――。『ジョーズ』『ビースト』の海洋サスペンスの名手が放つ、怪物と人間の死闘を描いた傑作。》
倉橋由美子『城の中の城』新潮文庫・1984年
《英文学教授の山田信氏は、去年突然渡仏中にパリで洗礼を受けカトリック信者になった、と妻の桂子(30歳)さんに事後告白をした……。夫君の裏切りに、自尊心を傷つけられた桂子さんは、二人の可愛い子供を思いながらも、棄教か離婚かを夫君にせまり、二人だけの宗教戦争がはじまった! 禁じられた愛や夫婦交換を、キリスト教を背景に描き、現代の知識人家庭を風刺する長編小説。》
井上ひさし『遅れたものが勝ちになる―エッセイ集6』中公文庫・1992年
《貿易摩擦と農業問題、憲法談義、さらにはプロ野球を面白くする法、樋口一葉、石川啄木、宮沢賢治への架空インタビュー、ブロードウエイ観劇記など、諷刺の天才が鋭く現代の諸相を語る》
桜庭一樹『GOSICK―ゴシック―』角川ビーンズ文庫・2011年
《パイプを片手に、恐るべき頭脳で難事件を解決していく不思議な少女ヴィクトリカ。人形とみまごうほどの美貌をもつ彼女だが、性格は超傍若無人!?真面目で誠実な留学生久城一弥はそんな彼女に日々振り回されっぱなし…。そんな中、とある占い師の死をきっかけに、二人は豪華客船で起こる殺人事件に巻き込まれてしまう。次々と命を落とす乗客達、そして明かされる驚愕の事実とは――!? 天才美少女の極上ミステリー、開幕!!》
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