2021年12月
私家版
『鍬』は堤宗春(1940 - )の第1句集。序文:西山睦。
著者は「駒草」同人。
ミニカーの転がつてゆく初掃除
若者へハンドル譲る稲刈機
秋を病むリストバンドにバーコード
手締あと静寂ありけり酉の市
深雪晴赤子の名前付けにゆく
石積に遊び石あり鴨足草
赤子這ふところ明るし庭石菖
雪明り道より低き戸を訪ぬ
蜷の道巌に当たり帰り来ず
山姥の足かと思ふ毒茸
母とゐて大福を買ふ受験の子
蜜蜂の群がる中をハーブ摘む
農小屋の鍬に被せる捕虫網
たんぽぽのブーケ作りかけのベンチ
炎昼や何も触らぬ手を洗ひ
※本書は西山睦氏より寄贈を受けました。記して感謝します。
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