『花の庭』は日髙まりも(1954 - )の第1句集。序文:小川軽舟、跋文:布施伊夜子。
著者は「鷹」「椎の実」同人
未来とはまだ間に合ふ日男郎花
家中の明り落とさむ虫時雨
一人づつ子を東京へ蕎麦の花
郵便の来ぬ日蜜蜂来てをりぬ
秋風や打捨ててある深海魚
床の間の遺影と魚拓春兆す
ショベルカー薊咲く野を拓きけり
石鹼玉大地輝きつつ回る
街路樹の葉音澄みけり天の川
雪を来し背広を吊す仏間かな
厩舎への道濡れてゐる桜かな
街灯に降りてオレンジ色の雪
新緑や玻璃ひろびろと美術館
かはほりに青く暮れゆく山河かな
母の死を毎日忘れ父涼し
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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