「遊牧」2012年6月号から。 以下、「特別作品」からおおかみが婆ア見送る春の峠 大畑 等千殺せば千五百産む蠅の神銅版画の異形淫乱それも春石の屋根とぺんぺん草と水平線 金子斐子何処にでもある石ころや春愁い 今岡昭栄霧を食う僧侶のごとく陽は沈む 大谷昌弘 以下、「同人作品」から春雷や神をみごもる火焔土器 吉岡一三皮だろう骨だろう隆明の背の桜 大畑 等永遠の待ちぼうけなりかざぐるま 塩野谷仁花石榴むかしは二階暗かりし*****************************************************ZZ Top - Sleeping Bag
「俳句四季」では「最近の名句集を探る」という座談会が続いているのだが、その20回目、2012年6月号で、茂根さんの『BABYLON』、青柳明子氏の『柳絮降る』(これ、読んでいない)とともに拙句集も取り上げられた。 座談会出席者は齋藤愼爾、依光陽子、神野紗希、司会=筑紫磐井の各氏。 このなかでことに正鵠を射ていると思ったのは、依光陽子さんの以下の発言だった。《関さんの句は知的操作が施されているように見えますが、案外作者は何も考えていないのかもしれない。》 この雑誌、B5判と俳句雑誌としては大きめで、観光名所の写真がふんだんに入っている。今号では「曹洞宗功山寺国宝仏殿」「諏訪」「門司港」など。 壮健な人はあまり気にも留めまいが、健康や懐具合の問題で、もう二度と旅行など出来ないものというつもりになって、こういう絵葉書みたいな写真に見入ると、また全然味わいが違ってくる。 高齢者、入院者にとっては思いのほか大事な要素なのかもしれぬ。*****************************************************観光特急A列車で行こう&指宿のたまて箱
「都市」2012年4月号から。 会員たちによる特集中西夕紀『朝涼』座談会〈下〉を掲載。 「俳句月評」(栗山心)は「俳コレと六十棒」(六十棒は拙句集の略称)。竹塀に贅をこらして冬籠 中西夕紀花八つ手すし屋休みて路地暗し山盛りのにんにくを剥き春立つよ白菜を真中に植うる狭庭かな 秋澤夏斗それぞれのヨガのポーズや老の春 安藤風林ビル街や一幹伝ふ冬の雨 杉本奈津子天鵞絨(ビロード)のやうな土竜の死でありぬ 川手人魚*****************************************************Carlos Kleiber - Beethoven: Symphonies 4 & 7 - Amsterdam Concertgebouw Orchester (1983)
「麻」2012年5月号から。ひらめきし句や花烏賊の腸を抜く 嶋田麻紀お祭りの少女のやうに緋木瓜咲くいかなごのくぎ煮の匂ふ街に入る 坂内時子除染の土何処へ三・一一忌 飯田綾子のつたりとただ持ち上がり進級す 松浦敬親隠れても骨に色艶団扇貼る*****************************************************Jill Jones - Mia Bocca
「秋草」2012年6月号から。 鑑賞欄の「秋草逍遥」は今回から佐藤文香が担当。入学の子に鏡台の高さかな 山口昭男壺焼屋雨音ばかり聞こえけり鳥帰る当麻は鐘の碧さかな花束に短き手紙春の霜 橋本石火明るさの独活の束ある框かな 下津田喜恵えめらるど色に沼ある虚子忌かな 田口好男幣掛けて寂しき巨石初桜 中西 愛*****************************************************新建築2011年8月号「楕円の森」
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