「秋草」（発行編集：山口昭男）2018年7月号から。
河内より人の来てをり杜若 山口昭男
山腹の甍明りや田を植うる
剥製の死なぬ眼や五月雨 三輪小春
考へる人の三角筋に蝶 丸山せんかう
木の家に傷の多くて夕朧 野名紅里
2018年7 月19日 (木)
「努」第144号（2018年7月）
「努」（発行：小山森生）第141号（2017年12月）から。
ならべ干す雨傘ふたつ花は葉に 小山森生
春霖や戦時もんぺの江戸小紋 木全富子
「塵風」第7号（2018年7月）
「塵風」（発行：斉田仁）第7号（2018年7月）から。
月蝕の街に佇むひとりひとり 啞々砂
美女の骨組み老女の骨組み盆踊り 井口 栞
春月に産卵をする腐女子たち 伊豫
雪曲り来るリムジンの長さかな 笠井亞子
蛤に翅あるそんな日もありぬ ことり
春空やシーツが遠くまで飛んで 小林苑を
眼底を女医に覗かれいて余寒 斉田 仁
玄関へ来て一対の田螺鳴く 佐山哲郎
東京タワー桃は尻から熟れはじむ 長谷川裕
いろいろの国にカレーのある朧 村田 篠
「ことり」氏については「六花」2011年11月号が追悼特集を組んでいるのだが、同名異人か。
「いぶき」創刊号（2018年7月）
「いぶき」（編集発行：今井豊、中岡毅雄）創刊号（2018年7月）から。
評論「永田耕衣の富澤赤黄男『黙示』受容」（中岡毅雄）掲載。
リラ冷えの水の過ぎゆく終末期 今井 豊
牡丹のはなびらを掻く熊手かな 中岡毅雄
遠山櫻治らぬ人に触れて来し 三島広志（特別作品）
2018年6 月25日 (月)
2018年5 月 9日 (水)
「鷹」2018年5月号
「鷹」（発行：小川軽舟）2018年5月号から。
旅終へて近所なつかしなづな咲く 小川軽舟
濤の音空を行き交ふ朧かな
春みぞれ肉屋のコロッケが揚がる 奥坂まや
三鬼忌やでろんべろんとジャズベース 山本良明
白山は雲憑き易し春祭 島田星花
鳥雲にあなたの苗字思ひ出せぬ 竹岡一郎
「秋草」2018年5月号
「秋草」（発行編集：山口昭男）2018年5月号から。
オルガンのかたき鍵盤下萌ゆる 山口昭男
眼より炎のあがる目刺かな
マネキンの裸の胸や梅白し 常原 拓
じやがいものスープの向かう春の雪 橘こごみ
「円錐」第77号（2018年4月）
「円錐」（編集委員：山田耕司・今泉康弘・澤好摩、発行：澤好摩）第77号（2018年4月）から。
「第2回円錐新鋭作品賞受賞者最新作品」を掲載。
両切りの煙草の香り春の雪 澤 好摩
祈るとき屋根より雪の落つるあり 橋本七尾子
少女とは自他に残酷白牡丹 石原百合子（第2回円錐新鋭作品賞「花車賞」澤好摩推薦）
かたちなきものへとかへる秋の雲 高梨 章（第2回円錐新鋭作品賞「白桃賞」山田耕司推薦）
あぢさゐへうつむいてゐるいろんな母 大塚 凱（第2回円錐新鋭作品賞「夢前賞」樋口由紀子推薦）
天丼に蓋あまつさへ花曇り 山田耕司
歩く時間のなかのあをさの空の鳥 宮﨑莉々香
「白茅」第17号（2018年春夏）
「白茅」（代表：中田剛）第18号（2018年春夏）から。
子供泣きわめく正岡子規の忌を 中田 剛
スコップを突き立てて割る根雪かな 神蛇 広
かすかなる獣の匂ひ今年竹 久保京子
桜餅大きな口に喰はれけり 小山宗太郎
「小熊座」2018年5月号
「小熊座」（発行：高野ムツオ）2018年5月号から。
鬼房忌ジャガ芋人参玉葱も 高野ムツオ
凍港の光の音が天にまで
歳時記に「三月」震災以前より 春日石疼
明治には狼殺す記録かな 俘 夷蘭
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