「麻」（編集：松浦敬親、発行：嶋田麻紀）2016年4月号から。
朽舟の底突き抜けて蘆の角 嶋田麻紀
鷹鳩と化すうしろ手のキス人形 松浦敬親
アクセルを踏み込む先に初筑波 平野鍈哉
父はまだ此世を恋ふか蝶の昼 花森こま（客員同人）
2016年6 月11日 (土)
2016年6 月 4日 (土)
「鷹」2016年6月号
「鷹」（発行：小川軽舟）2016年6月号から。
夜具抜けてつめたき廊下春めきぬ 小川軽舟
桃の花牛乳瓶に素直なり
飛花落花友はあらかた天上に 星野石雀
門限の月の高さや卒業期 細谷ふみを
時間濃し椿活けある一隅は 奥坂まや
頬伝ふイヤホンコード蝶の昼 黒澤あき緒
にんにくの芽に大陸の風きたる 竹岡一郎
りすのこぼす鎌倉殿の椿かな 濱田ふゆ
「青群」第40号（2016年夏）
「青群」（発行：伊丹啓子、編集：伊丹啓子・小嶋良之・政成一行）第40号（2016年夏）から。
水天はさくら卍の 千鳥ヶ淵 伊丹三樹彦（顧問作品）
名曲茶房でのシュトラウス 花疲れ
棺桶をネット検索 還暦来る 鈴木啓造
戻れぬ三陸 新成人の春ショール 堀部節子
ドリアンを買いしことあり メコン川 増田治子
鈍器のように鰹節並べ 昭和の店 伊丹啓子
花の奥 二條の滝の木霊する 矢内りんどう
「澤」2016年6月号
「澤」（発行：小澤實、編集：望月とし江）2016年6月号から。
深緑の茶罐開けたる新茶かな 小澤 實
子供の日夕明るきに飲みはじむ
若竹の林一ト道にまつすぐに 高橋睦郎（季語練習帖）
大工終れば左官の仕事水ぬるむ 大谷景子
腰椎模型神経黄色春日さす 川崎榮子
三寒四温チーズケーキのふちに皺 弓緒
かたまりをほぐせば子猫五匹なり 佐藤昭子
春塵の眼鏡拭くよハーブの香のティッシュ 天野正子
女の子同士もヴァレンタインの日 沼田美山
其角忌や箪笥の上のキンチョール 榮 猿丸
男雛の太刀抜いてみるなり飾るとき 森下秋露
利き酒の盃七つ桜の夜 望月とし江
フレコンバッグ一千万個に詰め汚染土や春野に積む 須藤迪之相
「秋草」2016年6月号
「秋草」（発行編集：山口昭男）2016年6月号から。
チューリップねむたきときはねむるなり 山口昭男
塗畦に日の切尖のあふれをり
白梅の香り冷たくありにけり 大西美帆
球根植う送電線の撓みをり 小山尚子
蝌蚪の水アラビア数字生まれけり 橘こごみ
磯巾着男ぽつんと沖を見て 宗方やよい
「紫」2016年6月号
「紫」（発行：山﨑十生）2016年6月号から。
万緑が太き柱となつてゐる 渡辺まさる
音たてて白髪が増えてゆく春だ 斎藤久子
キュートなる埴輪の目・口風光る さとうせつ
身を支える風はどこにもない三月 福井ちゑ子
「遊牧」2016年6月号
「遊牧」（代表：塩野谷仁）2016年6月号から。
オオムラサキ消えて硝子の器かな 茂里美絵
骨片のしずけさ夜の花筏 黒澤雅代
手をつなぐマチスのダンスチューリップ 新村長門
右脳からそよ風左脳から蝶蝶 細根 栞
2016年6 月 1日 (水)
2016年5 月30日 (月)
「エフーディ」vol.2（2016年5月）
「エフーディ」（発行：エフーディの会、編集：石川美南）vol.2「竹田〈隠れキリシタン〉編」（2016年5月）から。
歌人の石川美南、川野里子、小島なお、東直子、平岡直子、俳人の髙柳克弘、詩人の平田俊子、小説家の三浦しをんが参加。
礼拝堂の岩窟くぐる神もたぬひとりひとりが深く身を折り 川野里子
すきとおるレースとなって落ちる水 悲願を流し続けるように 東 直子
そのむかしひたりひたりとキリシタン裸足でゆきし肥後へ続く道 小島なお
十字架とΩ(オメガ)を隠し墓石に刻んだ文字は妙法蓮華 三浦しをん
（これは誰の夢の断片）裏庭で母が楽譜を火にくべてゐる 石川美南
悪口はもちろん好きよエジソンも白髪を抜いたのかしら、バスよ 平岡直子
枯山や隠者のこゑのおのれより 髙柳克弘
清掃の名目で飛び込む 霧へ 石川美南
夜霧など ダムが裸身の女なら 平岡直子
処刑場跡地を巡る冬の水 平田俊子
「GA」74号（2016年5月）
「GA(が)」（編集発行：秦夕美）74号（2016年5月）から。
秦夕美の個人誌。
味噌玉も空恋ひをらむわらべ唄 秦 夕美
紙風船ふはふはあそぶ冥府かな
かくありて海市など見ぬ柬埔寨(カンボジア)
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