「汀」(発行:井上弘美)2017年6月号から。
白日傘みづに屈めば水あかり 井上弘美
衝立の螺鈿きらめく帰雁の夜 森ちづる
光塵のかたまりとして猫柳 坂本昭子
「鬣」(代表:林桂、編集:水野真由美)第63号(2017年5月)から。
外山一機俳句時評「パロディという身の処し方」は関悦史『花咲く機械状独身者たちの活造り』について。
金星の象が大きな貌しおり 林 桂
四次元に寝返り三角波の上
春の野で横浜線を考へをり 外山一機
木(き)の下(した)で会(あ)ふ約束(やくそく)を
五月(ごがつ)かな 中里夏彦
葦原将軍じっと野薔薇のなかに居る 後藤貴子
マフラーに顔埋め暗殺記事読める 萩澤克子
「連衆」(編集:谷口慎也)No.77(2017年5月)から。
龍が水飲むごと老樹銀河へと 夏木 久
青嵐スプーンに映る子と夫 しいば るみ
海胆割ればアリストテレスのランタンが 小柳かつじ
少女みな蛇紋を秘めて踊りけり 高橋修宏(新参加者紹介)
軍艦かもしれぬ枯野に灯がともり 谷口慎也(特別作品)
「オルガン」(編集:宮本佳世乃、発行:鴇田智哉)9号(2017年5月)から。
今号から宮﨑莉々香が参加。
斉藤斎藤をゲストに迎えた座談会を収録。
桜から夕暮れの手にわたる土地 福田若之
いくつかの蜂のかがやいてた木椅子 宮﨑莉々香
もくれんは安い廊下に睦みあふ 宮本佳世乃
幹つめたしこの満開の中にあれど 生駒大祐
ひとなつこい春のむかしを暮らす象 田島健一
オルガンの奥は相撲をするせかい 鴇田智哉
「小熊座」(発行:高野ムツオ)2017年5月号から。
初鶏や国生むごとく糞をして 高野ムツオ
神童がまず転びたり雪合戦
三月の海が薄目を開けるとき 渡辺誠一郎
飯館の斑雪野にふと手を合はす 日下節子
コンビニの空っぽの棚三月来 大久保和子
仮設六年仮の世に春の雪 松岡百恵
「鷹」(発行:小川軽舟)2017年5月号から。
特集は「『俳句と暮らす』を読む」。
ワイシャツでめし食ひに出て春寒し 小川軽舟
散策が徘徊となる日の長さ 星野石雀
やどかりの脚あふれ出て動きけり 奥坂まや
春の山モデルは動かなくて好い 細谷ふみを
「紫」(発行:山﨑十生)2017年5月号から。
糸偏はおほかた怖し冴返る 山﨑十生
外へとはどこまでのこと鬼やらひ 鈴木紀子
入学祝は兄漕ぐボート隅田川 鈴木登代子
「汀」(発行:井上弘美)2017年5月号から。
堀切実「永田耕衣の俳句観」というのが連載されていてもう第3回。
若き日の父立たしめよ花の奥 井上弘美
立春大吉西京漬のよく焦げて 宇野恭子
受験子に飛行機雲の高さかな 斎藤謙子
「陸」(発行:中村和弘)2017年5月号から。
霊木を遠足の列発したり 中村和弘
宇宙語のリズムで稚(やや)と朝寝する 泉 風信子
小一のむすめふさほせ歌かるた 山本高分子
「澪」(編集発行:松林尚志)2017年5月号から。
方丈もこもれば砦春灯 松林尚志
乱筆となられて途絶ゆ師の賀状 奥村尚美
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