『情死一擲』は加藤知子(1955 - )の第4句集。跋文:竹岡一郎。
著者は「We」代表、「連衆」「豈」同人。
甲虫に雨ぞうぞうと銀の匙
滝壺に蛇を投げれば花群るる
雷に打たるる鬱も水の音
虹彩交歓始まる虹の境界線
角曲がり肉屋がないと叫ぶ男
帰り来てトランペットは夏へ無垢
花火とは違う歓声キノコ雲
ボールペン抱かれたいから湯気立つよ
婆なれば万引きマントに神宿る
ゲリラ豪雨橋はよろこび裏返る
エコバック増えて自死者の十二月
人が皿喰い皿が人喰う豊の秋
雪兎戦車の砲の中にあり
首筋に情死一擲の白百合
パクられよ紋白蝶と化す裸体
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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